第3話 演目
出し物は兵隊劇『募兵係にはご用心』。
時は今から二百年前、カール(五世)大帝の時代。
主人公のアントーンは食い扶持にあぶれた、先の見えない農家の次男坊。彼は募兵係の甘言に
物語は最終的にイタリア戦役、果てはローマ略奪(サッコ・デ・ローマ)へと突入して行くが……ねた晴らしはここまで。後は、木戸銭をお払いになって、中でご観劇を。
アントーン役にはゼーマン。
ケストナーは募兵係、入隊時の書記係、古参兵、憲兵、連隊長と一人で五役。
ローズマリーは輜重隊の
何せ三人だけなので、
劇の最中、ケストナーは例の女の子が後ろの方の客席にちょこんと座っているのに気付いた。
どうやら親から小遣いを貰えたらしい。女の子は楽しそうに観劇していた。歯を見せて大いに笑い。目を輝かして……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます