｢AIロボットのりこ｣がやってきてから何もかもが変わった。

Prologue 〜大きな荷物〜

　ピンポーン

　珍（めずら）しい……誰（だれ）かが訪（たず）ねてくるなんて。

｢はーい｣

　眠（ねむ）たい目（め）を擦（こす）りながら俺（おれ）は応答（おうとう）した。

　正直（しょうじき）、居留守（いるす）を使（つか）いたかったが久（ひさ）しぶりの訪問者（ほうもんしゃ）だ。しょうがないから玄関（げんかん）まで行（い）ってやろう。

　……パジャマを着（き）ているけど気（き）にしない気（き）にしない。

｢宅急便（たっきゅうびん）でーす｣

　宅急便（たっきゅうびん）？なにか頼（たの）んだっけ？

｢ハンコお願（ねが）いしまーす｣

｢はい。ありがとうございました。｣

　……なんだこれは！！バカでかい【荷物（にもつ）】じゃないか！人（ひと）が1人（ひとり）入（はい）るくらい大（おお）きい……。

　さらに差出人（さしだしにん）まで分（わ）からないなんていったい何（なに）が入（はい）っているのやら。危（あぶ）ない物（もの）でも入（はい）っていたらどうしよう……。

　でも中身（なかみ）が気（き）になるなぁ。

　………たった今（いま）、開（あ）けたいという好奇心（こうきしん）が俺（おれ）の中（なか）で勝（か）ってしまったようだ。

　それならば仕方（しかた）がない、開（あ）けてしまおうではないか！！

｢さてと、ハサミはどこだったかなぁ｣

　ジョキジョキジョキ……ベリベリッ！！

｢なんだ…これは……！！｣

　この荷物（にもつ）が俺（おれ）の人生（じんせい）だけでなく世界（せかい）までも変（か）えてしまうなんて、この時（とき）は思（おも）いもしなかった……。

　俺（おれ）の物語（ものがたり）が、世界（せかい）を救（すく）う物語（ものがたり）が始（はじ）まる