第86話 パーティ4人と1階廊下
たっぷりランチに時間を取った後、4人はエレベーターホールに戻ってきた。
下向きのボタンを押すとすぐに扉が開く。
4人は中に乗り込むと同時にまた警告音が聞こえてきた。
今度はさっきより大きめの音でしかも複数鳴っているように聞こえる。
「1階は大賑わいのようだな。済まないが魔法を頼む。あと菜月は今回はロボット相手には手を出さないでくれ。万が一反撃されると困る」
そう言って和己は1階のボタンを押す。
ほんの少しの下降感覚。
そして扉が開く。
エレベーターの出口付近を4台のロボットが囲んでいるのが見えた。
だがロボットは一瞬だけ動いた後、静止する。
「面倒なことだ。全く」
和己はそう言ってロボットの前に歩いて行き、目の前のロボットを押す。
既に和己の攻撃が完了しているらしく、ロボットはぴくりとも動かない。
そしてかなり重いらしく、和己が押してもロボットは動かない。
「こりゃ無理だ。ロビィ、排除を頼む」
和己の代わりにロボット4台がエレベーターから出てエレベータ前を塞ぐロボットを押しやる。
やっぱり重いので動きが遅い。
菜月の指がエレベータの開ボタンを押すのにも疲れたころ、ようやくロボットも人も通り抜けられる隙間が出来た。
4人はその隙間を抜けて廊下へと出る。
「次は何処へ行くの」
「多目的区画だな。閉じ込められている連中を解放したい。面倒だから閉じ込めたまま全てを終わらすという方法もあるが、人質として使われると面倒だ」
和己はそう菜月に答えて歩いて行く。
1階は2階よりかなり広いようだ。
多目的区画まで1分程度歩いた。
「さてロビィ。これから多目的区画の中に僕が言うことを放送してもらいたい。他の場所はいい。出来るか」
「可能です。今すぐ行いますか」
「ああ頼む、行くぞ」
和己は一呼吸して、話し始める。
「この区画に閉じ込められている諸君に連絡する。まもなくこの扉を開放する。
まもなくこの扉を開放するので、これから次のように行動願いたい。
解放されたら真っ直ぐにエレベータに乗り、B1階の第2指揮所を目指してほしい。
第2指揮所には指揮端末の他、ゲームのシステムに繋がる個人用端末がある。この端末を操作すればゲーム中断という形でこのゲームから脱出する事が可能だ。
脱出すれば奪われた諸君のスマホ等も元に戻る」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます