第85話 パーティ4人ランチタイム中
「この前も思ったけれど、よくそれだけ食べられるよな」
遙香が半ばあきれつつ和己の前を見る。
皿4枚に山盛りの各種おかず類に、丼入りのカレーライスと肉うどんを付けている。
「頭脳労働者だからその分脳がカロリーを使うんだ。それに少なくともバランスは遙香よりよっぽどマシだ」
遙香の皿は生ハム、サラダ用ロースハム、粗挽きソーセージ、卵焼き、ローストビーフ、ハンバーグ、鶏の照り焼き、鶏の唐揚げ……
要は肉ばかり、野菜どころか主食すら見当たらない。
「野菜はジュースで取るからいいんだ。それに肉を食わないとパワーが出ない」
言い合っているようだが2人とも機嫌はよさそうだ。
だから菜月も冬美も放っておいている。
ちなみに菜月が今回取ってきたのはハンバーグ、サラダ各種、味噌汁、ご飯とデザート類。
冬美はサラダ各種、ピザ2枚、コンソメスープ、フルーツとヨーグルトだ。
「冬美さんは何か女子力、って感じのメニューだね」
「すぐ太るから注意しているんですよ。そうでない人がうらやましい。遙香もああいう食べ方をするのに全然体型が変わりませんしね」
「少しは胸の辺りのボリュームが欲しいぞ」
「その代わりに他の部分が増えたら悲惨ですから」
そんな感じでランチタイムは過ぎていく。
なお和己と遙香は皿の上全部を片付けては取りに行くという行動を3回位はやっていた。
まあその辺りもお約束ではある。
その結果として。
「食べ過ぎた。解放と最終決戦は明日にしないか?」
そんな酷いことを遙香は言い出す始末だ。
「まあ肉体労働はそれほどないから今日中にちゃっちゃと終わらせようぜ。そうすれば明日からのんびりと心行くまでここでランチを食べられるし、また海でも温泉でも行けるしな」
和己の方が少しはましな事を言っている。
かなり後半部分に本音が入っているのは別として。
「そんな事を言って、本当にちゃっちゃと終わるのか?」
「私の頭脳を信じなさーい。これまでも見事に解決してきただろ」
「うーん、それは事実なんだけれども今の状態を見ると今ひとつ信じられないんだよな。単なる喰意地の塊にしか見えない」
「健全な生活は健康な食事から。遙香は偏食しすぎだろ」
「あの量を食べて健全と言い張る嘘つきじゃ無い」
これも機嫌が悪いわけでは無い。
なので残り2人もまったりと温い目で見ている。
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