第78話 パーティ4人とロボット4台(2)

 扉が開くと、いきなり警備用ロボットが入ってくる。

 警告音全開だ。


「ふん」

 和己がそう鼻息を鳴らし、遙香が同時に木刀を叩き込む。

 ロボットの動きがエレベーターに入りかけたところで止まった。


「邪魔だね」

 そう言いながら4人と4台はエレベーターから出る。


「やり過ぎです。ゲーム中とは言え攻撃は適正限度でお願いします。どちらか片方の攻撃で十分ですし、余裕がある際は敵ロボットに対しては警備ロボットで対処致します」


 冬美がちょっと考えて口を開く。


「どちらか片方って事は、和己も攻撃をした訳かな」


「10万ボルト1アンペアで回路を焼き切った。弱電分野に強電パワーで一発だ」

「凶悪ね、それ」

「和己だしね」


 そう言いながら4人は歩いて行く。


「しかし思ったより抵抗ないな、もっと激しい抵抗線を引いているかと思ったんだが」

「それほどの戦力が無いんじゃない。でなければ下のボス前に集中配備しているとか」


 そんな勝手な事を言っているうちに第1通信室の前だ。

 警告音は聞こえない。


「なら今度は僕が先に入るな」

 そう言って和己は扉のボタンを押す。

 反応がない。


「壊れているかロックされているか。ロックされているなら何処で解除できるか。ロビィ、判断出来るか」

「ローカル系に権限が切り替わっているようです。この付近ですと第1指揮所で解除可能です」


「第1指揮所がロックされていたらどうする」

「重要区画は完全なローカル運用は出来ないようにしてあります。第1指揮所は第1種ですのでシステム側からの割り込み操作が可能です」


「ならそっちに先に行くとするか」


 たいした事ではない、という感じで和己は扉を後にする。

 第1指揮所はエレベータまで戻ってその先だ。

 途中、相変わらず警戒音は鳴らない。


「このフロアには最初のロボット以外の配置はしていないのか」


「不明です。奪取されたロボットはローカル系の指揮系統になっているため、把握できません」

 ロビィが律儀に答える。

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