第77話 パーティ4人とロボット4台(1)
歩きながら和己が言う。
「遙香と冬美に頼みがある」
「何?」
「敵の接近音が聞こえたら、俺達人間4人の姿を消して、ロボットを俺達の姿に見せるような魔法を展開して欲しい。可能か?」
「大丈夫、ねえ冬美」
「ええ」
冬美も頷く。
「なら頼む。分担は任せる。あと僕だけは途中で擬態解除するかもしれないから宜しく」
「大丈夫よ」
冬美は再度頷いた。
「さて、と」
エレベーターホールで和己は上へのボタンを押す。
「あえて2階から行ってみるぞ。第1通信室、第1指揮所、中央指揮所、中央制御室、作戦指揮管理室と潰していく。格納庫は広いから見物だけ」
「何でそうするの?」
「僕がトップなら作戦指揮管理室に居座っているだろうからな」
「いきなりトップを突破する、ってのは駄目か」
遙香の質問にふん、と和己は笑う。
「戦力をじわじわ弱らせて、相手を弱気にしてからやった方が勝率が上がる。それにこれはゲームだ。なら下から順に攻めていくゲームの美学に従うべきだろう」
エレベーターの扉が開く。
「和己にとってはこれはゲームなのね」
「ゲームのエクストラモードだろう、なあロビィ」
「はい、そうです」
和己は2階のボタンを押す。
エレベーターの扉が閉まるとともに、何か音が聞こえ始めた。
これは……警告音だ。
だんだん強くなる。
「よし、早速だが魔法を頼む」
「はい、これで大丈夫よ」
和己の目からは何も変わらない。
ただ遙香も頷いているし、大丈夫なようだ。
「そうか、対象が敵に対してだから私達の視界は変わらない訳か」
「話をしても大丈夫よ。ただ相手に話しかける時はロボットとして話すか魔法を解くかする必要があるわ」
菜月の台詞を冬美が補足してくれた。
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