第76話 パーティ4人戦力増強中
「さて、ロビィというかシステムに要請だ。
これから我々の地上帰還に関する不安材料を少しでも減らすべく、この艦内の
そこでシステムへの協力の代わりに相談なんだが、ロビィと同じような警備ロボットを身辺警護の為にあと3台、借りられないだろうか。
敵の方が人数が遙かに多いし敵に従っている警備ロボットもあるんだろう。なら人数分の警備ロボットの貸与は安全の為にも必要だと思うのだが」
「……貸与という形は許可できません」
「警備ロボット自体は今のロビィのようにパーティに随伴してくれればそれでいい。動作プログラムや状況に応じた措置はロビィと同じでシステム判断でかまわない。それならどうだ」
タチが悪い事を始めたな、と菜月は思う。
何せ痴漢を捕まえる時に自ら女装した位に和己は手段を選ばないのだ。
ちなみにその際の服は菜月が貸した。
スカートの長さがあわなくて数回巻き返しした以外はほぼサイズが合っていたという事実がなかなか悔しい事案だった。
しかも女装姿、案外可愛かったし。
「……プレイヤー相手には警備ロボットでは対応できないものと推測されます」
「通路を塞がれたり攻撃をせずにただ捕縛に徹されたりするのを防ぐ目的もある。それに相手側のロボットも脅威だ。僕の魔法を使ってもいいが爆破と高電圧だから余分な被害を及ぼす可能性もある。危険はお互い最小限に留めたい」
どうせ理由は山ほど用意しているのだろう。
菜月はそう思いつつ、生暖かい目で和己の交渉を見守る。
「……仮想空間とは言え破壊を伴う魔法を使うのはお勧めできません」
「だからそのリスクを最小限に減らしたい。頼む!」
交渉は延々と続く。
そしてついにシステム側の方が折れた。
「了解しました。ロビィと同型の警備ロボットをあと3台随行させます。ただし随行は致しますが動作はシステム側で行いますのでご了承下さい」
「ありがとう。協力感謝する」
和己はにやりと悪そうに笑う。
「それとロビィ、会話を特定階層に放送で流すことは可能か」
「可能です。今すぐ行いますか」
「いや、後で指示する」
「了解しました。まもなく警備ロボットが到着します」
ロビィの言葉とともに扉が開き、ロビィと同型のロボットが3台こっちに移動してきた。
「さて、掃討戦といくか」
和己はそう言って立ち上がる。
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