第74話 パーティ4人ミーティング中(3)
「それってひょっとしたら大事じゃない!」
遙香がそう言って立ち上がる。
「かもな。でも今のところは計画に支障はないんだろ、ロビィ」
「今のところの予測では計画に支障が生じる可能性は0.1パーセント以下です」
「1000隻あれば1隻は失敗する確率ね。一千万人強の中の1万人か」
冬美が冷静に怖いことを言う。
「その行動を止める手立ては無いの?」
「異常プログラムは他同型船等の同一プログラムと比較され、短時間のうちに補修されます。ただし同型船等の同一プログラムの多数に異常が発見された場合は発見補修に相応の時間が必要となります。現時点では閾値は10パーセントです
この補修時間のラグが発生している隙に
「そしてロビィ、この船で連中がその工作を行っている場所はどこだ?」
「中央制御室です。またそれ以外にも1階、2階フロア全域で活動を行っている事が確認されています」
和己はため息をついて、そして口を開く。
「そういう訳だ。つまりここからは敵がいるゲームになる。ロビィ、もう立ち入り禁止は解除でいいよな」
「……確認できました。立ち入り禁止区域の一部解除、承認が下りました」
「この先のフロアで遭遇する可能性がある敵のデータは?」
「ゲームにおける戦闘の規則は準用されますので合意が無い限りプレイヤー同士が戦闘を行う事はありません。ただし内部プログラムを改変した警備用ロボット数台を運用していることが確認されております。
それらのロボットは指揮系統から切り離されているため初期化攻撃は行えません。しかし麻痺警棒は有効ですのでこれで攻撃を仕掛けてくる恐れがあります。なお敵対時には警告音を発していますのでそれで判断が可能です」
「要はチュートリアルの時の敵と同じか」
遙香がそうつぶやく。
「残念ながら私は戦力にはなりそうにない」
「私もそうね。相手のアニマアニムスの姿を読み取る魔法と擬態魔法だけだから」
「とすると戦力は私と和己か。ロビィは戦力になるのかな」
「一方的な先制攻撃を受けない限り、警告無しの攻撃を実施することはできません」
冬美がにやりと笑った。
「なら私の魔法でロビィを私か遙香の外見認識にして、私達は姿を消していればいいわね」
「あ、それ私もチュートリアルでやった」
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