第8章 エクストラレベル(2)
第72話 パーティ4人ミーティング中
いつもの市民センターのエレベーター前で端末が振動する。
『エクストラレベルへ直行する場合は2153の順で階数ボタンを押して下さい』
「やっぱりショートカットがあったんだな」
遙香がそう言いながらボタンを押す。
長い降下の後、到着したのはB1フロアの後部エレベーター前。
半円形のロボット、ロビィも前で待っていた。
「今日はどうするの?」
奈津希は和己に尋ねる。
「今日は危険箇所へ入る事になる。だから少しばかり準備が必要だ」
「どういう事?」
「準備がてら説明する。まずは第2指揮所へ行こう」
和己は歩き出す。
◇◇◇
指揮所で前と同じように和己は中央の席に座り、端末を操作する。
中央のパネルに艦内図の一部が映し出された。
「立ち入り禁止と言われていない場所で回っていないのは後方のエレベーターの2階、1階、B3階、B4階だ。
このうちB4階は動力制御室と動力室機関室だから今回はパスする予定。B3階は睡眠槽個別管理室と睡眠槽室はどうせ立ち入り禁止なので省略。病院区画はパス。
そうすると残っているのは1階と2階という訳だ」
そう言って和己はジョイスティックを操作する。
1階と2階の艦内図が表示された。
「1階にあるのは中央制御室、作戦指揮管理室、上部格納庫甲板、多目的区画。2階にあるのは第1通信室と第1指揮所・操艦室。
ゲーム的には作戦指揮管理室には是非行ってみたいが、ここと中央制御室、上部格納庫看板には特に敵がいる可能性が高い。具体的に言うと
「何故そう思う?」
菜月が尋ねる。
和己は肩をすくめる。
「
「この仮想世界からの脱出じゃ無いの?」
遙香の言葉に和己は頷く。
「僕も最初はそう思っていた。エクソダスなんて単語も使っているし。事実今でもお題目は脱出なんだろうと思う。
ただゲームを進めていくうちに少し考えが変わった。単に脱出したいだけならあと2年この世界で待てばいい。そうすれば当初の予定通りの完璧な脱出計画が始まるからな」
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