第67話 4人パーティと南国リゾート(3)

 昼食と称して焼きそばとカレーとお好み焼きとホットドッグとアメリカンドッグと豚汁4杯を注文して食べた後。


 プライベートビーチとやらへ行ってみようという事になった。


 寛ぎ用のセットは向こうに全て準備してあるとの事なので、4人はモーターボートと接続してあるバナナボートに乗る。


 なおモーターボートが前に菜月、後ろ兼操船係が和己。

 後ろのバナナボートが前に遙香、後ろに冬美である。


「何も仮想世界まで遵法仕様にしなくていいものを」


 モーターボートの動力源は2馬力の電動仕様であった。

 免許はいらないがスピードは出ない。


「GO!プライベートビーチ!」

「はいはい」

 レバー操作であっさりとモーターボートは動き出す。


 動き始めると和己の機嫌も直った。

 速度は確かにあまり出ないが、なかなか楽しい。

 ちょこちょこした波もちょうどいい刺激になる。

 後ろのバナナボートも結構揺れていて楽しそうだ。


「和己、もっと速度を出せないの?」

 先頭の菜月だけはちょっと不満があるようだ。


「電動モーターだとこれが限界。後ろのバナナボートも結構揺れているしさ」

「まあいいかな。風も気持ちいいしね」


 モーターボートは左側の入り江の外側をぐるっと回る。

 その内側が今回のプライベートビーチだ。


 何本か生えた椰子の木。

 小さなコテージ。

 そして日よけのパラソルとビーチベッド、テーブルが用意されているのが見える。


「至れり尽くせりだな」

「初めてだわ、こんな高級っぽいリゾート」


 まあそうだろうな、と和己は思うが水をさすのは乙じゃない。

 それに和己も実際そう感じているし。

 モーターボートが止まる前に菜月は飛び降りる。


「いぇーい、初上陸」

「隣の浜だろ、実際は」

「趣のない事言うんじゃ無いの!」


 バナナボート組も降りてきた。


「さて、バカンスの準備準備!」

 遙香が妙に張り切っている。


 何を準備する気だろう。

 和己にはわからない。

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