第63話 4人パーティとエクストラレベル(4)
「もちろんロビィにも言い分はあるんだろう。協定側はきっと、それら人的損害は最低限になるよう対策をとっている筈だ。その結果がこの基地なり船なりで入植計画の遅れにも繋がっているんだろう。
まあこの話は今はここまでにしよう」
和己はまた機器を操作する。
「さて、この次は後部格納庫だが。僕の予想では間違いなく
「その通りです。現在散発的に戦闘が行われております。そのため後部格納庫全域は立ち入り禁止となっております。本パーティのような認証済みパーティでも現在の立ち入りは許可されません」
「そう来ると思った」
パネルの表示がまた変わる。
『サガミガワ級小型戦闘艦 1隻
サカイガワ級水中水上偵察艦 3隻
ヒキチガワ級上陸母艦 3隻
エノシマ級飛行偵察艇 10隻
……』
「何これ?」
「後部格納庫にある独立行動可能な艦船等のリスト。エクソダスなんてしたい奴なら真っ先に狙いたいものだろ」
和己は更に端末を操作する。
潜水艦らしい構造物の図面が現れた。
『ヒキチガワ級上陸母艦 実用深度海面から500メートル以内。
定員1000名(上陸人員含む)。
速力30ノット以上(水上)8ノット(水深100メートル)
超小型密閉式原子炉搭載。活動可能期間発進時より1000年。
搭載機:VF01型戦闘爆撃機3機、VM03型高速輸送機10機』
「例えばこいつを奪取できたら地上への脱出なんて簡単だろう。ただ本音を言わしてもらうと、組織の上層が本気でただここを出るだけのエクソダスをやる気があるのか。僕は疑っているんだがな」
「何故そう思う」
冬美が和己の方を見る。
「危険ばかり多くて意味が無いからだ」
ふん、と鼻を鳴らして和己は続ける。
「さっき早期入植したコロニーの末路を見たよな。
準備もないままエクソダスなんてしたらあれと同じ危険が待ち構えている訳だ。
それなら僕はこのままこの世界で3年待つ方を選ぶ。
病気対策等もそれなりに出来ているだろうし社会インフラも整えているだろうし」
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