第57話 パーティ4人情報整理中(1)
「それでは私が組織から聞いた情報を話すね」
3人の視線が冬美に集まる。
「まずは
○ ここは大陸棚に沈んでいる箱船型基地の中
○ 今私達が生活しているのは仮想世界
○ 本体は長期睡眠装置でゆっくりと時間を過ごしている最中
というところまではいいわね」
「このゲームの設定では、という意味では合意だな。まあそれを言うと全てがそうなるから以降は省略するが」
「はいはい」
遙香も頷く。
「それで地上は既に住める状態になっている、というのもいいわね」
3人とも頷く。
「では、実は入植は既に始まっているというのはどう?」
「それは初耳だな」
和己がそう言って続ける。
「地上監視・通信室か。あそこは馬鹿がいるから調べなかったな」
「あの2人は組織でも使えなくてね。資料探索させても知識や思考不足で碌な結果出さないし艦内探索させても表面だけでしか物見れない上に観察力不足だから役に立たないの。仕方なく重要任務と称してあそこに付けている訳」
「まあ確かにそんな感じだったね」
菜月も遙香も頷く。
「あの部屋を詳しく捜索するとね、重点観測ポイントとしていくつか既に入植を始めた場所が出てくるの。2145協定外の国の入植ポイントよ。主に中国のね」
「それで入植後の状況は?」
冬美は首を横に振る。
「良くは無いわね。既に入植を始めた30ポイントのうち21ポイントが崩壊。6ポイントが他のポイントとの戦いに負け搾取され消失。残り3ポイントは何とか維持されているけれど、かなりいびつな社会体制になっているみたいね。権力者は昔の科学技術の異物を使い放題、他はせいぜい近世レベルの生活という感じで」
「どうせそういった矛盾のある世界を救うってのも組織のお題目に入っているんだろ」
冬美は頷く。
「その通りよ。まあ今となっては信じられないけどね」
「それで他には?何か矛盾なり僕達の知らない話なりないか」
「そうね、あとは組織の概要関係から話した方がいいかな、順番的に」
「頼む」
和己の言葉に冬美は頷いた。
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