第56話 パーティ4人3時のおやつ中
休憩エリアのホテルのレストランは午後3時からデザートバイキングになっている。
4人は窓際の席に陣取って話しながらデザートを食べていた。
なお例によって和己の前には壮絶な量が並んでいる。
パスタとピザはデザートバイキングの時間でも提供されている。
他にもホットケーキとかチーズケーキとか腹につまりそうなものを中心にがっつり和己はキープしている。
「いつも思うけど和己って本当に燃費が悪いよね。それだけ食べたら普通身長がもう少し伸びるなり、もう少し重くなるなりすると思うけれど」
「頭脳労働にその分カロリーを使っているんだ」
「遙香も昼食の内容を見たけれど相変わらずの肉中心の偏食よね。健康に悪いわよ。よっぽど注意しようかと思ったわ」
そんな感じでのんびりと食べている。
「そう言えば冬美、これからどうするの。行方不明だけど家の方は?」
「元々家の方は私をあまり気にしていないしね。行方不明の届け出とかもしていないと思うわよ。帰っても多少気まずい程度だと思うわ」
「何か大変ね」
「慣れるとそれなりに気楽よ。1週間位の家出は前もやったし、その時も何も言われなかったから」
冬美は割とサバサバした口調でそう言っている。
「それにしても、こっちはクリアまで2週間以上かかったのにこうも簡単にクリアされると腹がたつわよね」
「でも独力で解いたんだろ」
「そうなんだけどさ、レベル5をクリアしたのは今朝よ。何とか追い抜かれないで済んだけれど、ぎりぎりだったんだから」
「例のシェモースとかいう組織の手は借りなかったんだ」
菜月の言葉に冬美は頷く。
「謎は自分で解く主義なの。この休憩エリアで勧誘を受けて勧誘活動だけは手伝っていたんだけどね。でも今はちょっと組織も信じられなくなったかな」
「説明に矛盾でも出たか?」
「それもあるしね」
冬美は頷いた。
「それにレベル5に続くパネルを見てみて、システム側のやっている事ももっともだなってちょっと思ったの。組織では『もう地上は居住可能になっているのに何故入植を開始しないんだ。これには新世界秩序を管理する勢力の支配を堅固にするためのであり工作である』と言っていたけどね」
「その言い分もまだ間違っているとは完全には言い切れないな。正しいとは思っていないけれど」
和己はそう言ってオレンジジュースを一気飲みする。
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