第46話 パーティ3人と客人とランチタイム(2)
「それでは、サンプルプログラムの起動を選んで」
秋良の言葉に従って3人はそれぞれの端末でサンプルプログラムを起動する。
夏のまぶしい日差しが4人を襲った。
見覚えのある石畳の歩行者道だ。
「店は秋良さん任せでいいかな、僕達より詳しいだろうし」
「そうですね。それではご案内します」
秋良を含めて4人で歩いて行く。
「皆さんの好みは何かありますか」
「コストパフォーマンス」
「色々食べられるところね」
「ガッツリ系」
なお順に和己、菜月、遙香である。
「無料なのにコストパフォーマンスは無いんじゃない」
「いや好みと聞かれたから、ついつい」
和己が菜月に攻められている。
「まあ和己は基本的に何でも食べるもんね」
「失礼な、好み位は一応あるぞ。それにまずいものは苦手だ」
「それは誰でも同じ」
遙香も攻撃に加わった。
「あと奇食とかゲテモノ系も苦手だな」
「それもほとんどの人が同じ」
「強いて言えば今回はドーナツ屋は勘弁して欲しいな。あれは外でも食べられるから」
「それは好みと言わない」
まあそんな感じで歩いて行く。
◇◇◇
秋良が案内したのは駅前のホテルのレストランだった。
『ランチタイムバイキング:11:00~14:30』と看板が出ている。
見ると他にモーニングビッフェ、デザートバイキング、ディナーバイキングもやっているらしい。
「これはいいな。夏休みは毎日通おうか」
「食事代の節約の為でしょ、どうせ」
「当然だ」
等とくだらない会話をしながら中へ入る。
そこそこ賑わっているが例によってプレイヤーなのかNPCなのかはわからない。
取り敢えずあいていた窓際の4人席上のメッセージボードを『使用中』にひっくり返して席をキープし、4人は食事を取りに出る。
和己が箸から順に全種類制覇を目指すべく少しずつ取っているのが菜月から見えたが、取り敢えず何も言わないことにした。
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