第45話 パーティ3人と客人とランチタイム(1)

「そろそろ昼だな」

 和己はそう言って印刷物を鞄の中に入れる。


「飯にしようぜ」


「やっと?」

 菜月は隣の端末で暇つぶしにゲームをやっていた。

 4つのブロックが上から落ちてくる落ちものの元祖的なゲームである。


「何か手がかりは見つかった?」

 遙香もとうに検索は諦めて目を瞑っている。


「資料的な事はひととおり読んだが、手がかりと言えるかはわからないな。取り敢えず午後はまた探索に戻るつもりだけれど、まずは食事だな」


「ならご一緒しましょうか」

 第3者の声が背後でした。


 3人はとっさに振り向く。

 見覚えの無い黒髪の美少女が斜め後ろにいた。


「貴方は誰かな?」


 彼女は和己に微笑む。


「そちらの男性の方とは以前お会いしてお話致しましたね。そのときと姿形は変えていますが」

 和己は溜息をついた。


「秋良さんか。姿を変えたらわかるものもわからないだろう」

「恥ずかしがり屋なものでして」

 そう言ってから秋良は頭を軽く下げる。


「お二方には初めまして。秋良と申します。季節の秋に良い悪いの良いという字を書きます」

「これはどうも、私は……」


「って、名前出していいの?敵かもしれないのに」

 遙香の注意で慌てて菜月は言葉を引っ込める。


「大丈夫だとは思うけれどな。それで今回は何の用かな。エクソダスへの勧誘かい」


 秋良は頷く。


「それもありますけれど、それ以外も含めて雑談をしようと思いまして」


「いいんじゃないか」

「和己!」


 遙香は思わず異議を唱える。

 和己はふっと笑った。


「さっきもいったように問題ないさ。それにこのゲーム内では戦闘は双方の合意の元でしか発生しない。それに有用な情報が聞けるかもしれない。

 ならここでご一緒するのも悪くない、違うか?」


 遙香は少し考え、頷いた。

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