第40話 3人パーティと秘密基地(7)

 メッセージは更に続く。

『レベル4以降のクリア条件は公開しておりません。プレイヤー自身で探索し発見して下さい。またプレイヤーの行動によっては戦闘もあります。十分考えた上で行動して下さい』


 これでようやくメッセージは終わる。


「今度は親切な案内は無し、って事か」

「他に何かヒントはある?」


 遙香の台詞に和己は首を横に振る。


「ネットも調べてみたが参考になりそうな事項は無かった」

「なら、片っ端から調べるしか無い訳ね」


 菜月はそう言って、それからタブレットを改めて確認して操作する。


「一応地図は表示されるみたいね」

「ああ。ここは最下層らしい。後は上に5層はあるようだな」

「地道にやるしかない、って事?」

「だな」


 3人は歩き始める。

 すぐエレベーターの前に着く。


 エレベーター横には上向きのボタンしか無い。

 階数表示等の無いタイプのエレベーターだ。

 和己が上向きボタンを押すとすぐに扉が開く。


「何階に行くの?」

「近い順から回ろう」


 今はB5とあるので、和己はB4のボタンを押す。

 ピーッと警告音が鳴った。


「立ち入り禁止区画です。解除コードを入力するか別の階を押して下さい」

「解除コードなんて知っている?」

「知らん」


 和己はB3のボタンを押す。

 再び警告音。


「立ち入り禁止区画です。解除……」

「しつこい」


 和己はB2のボタンを押す

「立ち入り禁止区画です。解除……」

「またかよ」


 和己はB1のボタンを押す

 今度こそ何も鳴らず、エレベーターの扉が閉まった。


「全く、立ち入り禁止ならそう地図に書いておけよ」

 和己はそう愚痴る。

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