第5章 レベル4

第39話 3人パーティと秘密基地(6)

 翌朝。


 土曜と同じように朝9時集合、桜ヶ丘市民センター経由でゲームに入る。

 真っ直ぐ『長期睡眠管理室』まで来て、例の機械に表示されたQRコードをタブレットで読み取る。


「設定は1秒にしておけよ」


「何で1秒なの?」

「ここでの設定時間は体感では1000倍らしいからな。1秒と設定しても体感では1000秒、つまり16分47秒位時間がかかるからな」


「わかった」


 3人とも設定を終える。

 前回と同様電子ロック付き扉を開け受付を通り公園らしき場所へ。


「どうする。16分しか無いけれど」

「ベンチででもあれば休むんだがな」


 遊歩道と林しかない。

 仕方ないので3人は前と同じように街に向かって歩き始める。

 4分程で門のところの案内嬢と挨拶して街へ。


「ダッシュで買えばハンバーガーか牛丼は食べられるかな」

「せめてクレープかソフトクリーム位にしようよ」


 とりあえず手近なテイクアウトの売店へ行き、一番出来るのが早そうなソフトクリームに決定。

 3人でソフトクリームをのんびり食べる。


 今日も既に暑い。

 なのでソフトクリームがある意味ちょうどいい。

 一番ゆっくりな菜月が食べ終わったところでふっと景色が歪む。


 出たのは見覚えある廊下だった。

 取り敢えず白い壁と天井、そして灰色の床。

 3人の背後には電子ロックがついた扉があり、前方にはエレベーターらしい者が見えている。


「ここは?」


 菜月の言葉とともに3人のスマホやタブレットが振動する。

 見ると画面にメッセージが表示されていた。


『レベル3クリア!レベル4へ移行します』

 確認ボタンを押すと次のメッセージが出る。


『休憩エリアへ任意に行ける機能が追加されました。メニューで『サンプルプログラムの実行』を選択することにより、休憩エリアへ移動することができます。休憩エリアから元の場所へ戻る場合は、メニューで『サンプルプログラムの終了』を選択して下さい』


 確認ボタンを押すと更にメッセージが出る。

『レベル4以降は同じエリアを使用します。以降このエリアに移動する際は、エレベータに乗車した際、『2152』の順で階ボタンを押して下さい』

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