第38話 3人パーティ休憩中(4)
更に和己が抹茶フロート付とみたらし団子を消費した頃。
やっと2人が風呂から出てきた。
「じゃーん、どうこの服」
「はいはいきれいきれい」
「あのねこういう時はもっと素直に褒めていいんだよ」
「はいはい」
面倒なので和己は全部空返事で済ませる。
「それで話って何?」
そう聞こうとする遙香を菜月が遮る。
「その前に腹拵え。和己ばっかり食べているのずるいじゃない。何かとってこよう、さあ」
菜月に引っ張られて遙香も消えていく……
結局和己が不明な美少女の件について2人に話し始めたのは、更に10分経過した後だった。
「
和己が食べたのと同じホットケーキ2段あんこのせを食べながら菜月が聞く。
「簡単に訳すと大脱出って処か。大人数の国外脱出だ」
「スティーブ・マックイーンがバイクに乗って鉄条網に阻まれる訳じゃないんだ」
「それは『大脱走』だ。関係ない」
「何から脱出するの」
「まだ情報が少なすぎる。早まった判断はしたくない」
「それでどうする気。もう少しここで情報収集する?」
「いや」
和己は首を横に振る。
「元々脱走原因となる何かがコンタクトなり何なり取ってくるのを期待して
「ならこれからどうする?先に進む」
「時計を見ろ。もう今日はここまでだ」
もうすぐ午後4時と壁の時計は伝えている。
「そっか。もうそんな時間か」
「明日は日曜だし、月曜終われば夏休みだ。次のレベルへの行き方もわかっている。攻略は明日以降でいいだろう」
「そうか。明日もここなら今度はもう1つのビルの方のブランド見てこようと思ったんだけどな」
「クリア後にするんだな。本来の目的は先輩の捜索だろ」
「取り敢えず身体等の心配は無い可能性が高いんでしょ」
「まあそうだけれどさ」
和己は小さくため息をついた。
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