第32話 3人パーティと見知らぬ街?(3)
「食事は初期化されないんだな」
真っ先にそれを聞くのかと思う遙香とやっぱりと思う菜月。
「さようでございます。ただし洋服等はエリア外に出た時点でエリアに入った時の状態に戻ります」
「ゲームの休憩エリアという事は、他のレベルからもここに来るわけか」
「さようでございます。レベル3以上の方なら任意にこちらを訪問する事が出来ます」
「じゃあそれを追いかけて他のレベルへ行くのは可能?」
思いついたように遙香が尋ねる。
「残念ですがそれは出来ないようになっています」
「駄目か……まあそうだよな」
想定していたらしく遙香に悔しそうな感じはない。
「休憩エリアという事は、他のプレイヤーもいるわけだな」
和己は質問を続ける。
「はい。他のプレイヤーもおりますしシステム側が演じているノンプレイヤーキャラクターもおります。会話も出来ますし合意があれば戦闘を行う事も出来ます」
「合意がなければ戦闘にならないのは同じだな」
「その通りでございます」
和己はそこで一息ついて、そして口を開いた。
「あと、このエリアで飲食して元のレベルに戻ってを繰り返すのは時間的に制限はあるか。また長期連続してこのゲーム内にいる場合プレイヤーの身体に問題は出るか」
菜月と遙香ははっとした表情で和己の方を見る。
和己は2人に小さく頷き、そして案内嬢を見た。
案内嬢の表情は変わらない。
「ログイン時間に制限はありません。またこのエリアで食事をとり、またゲーム内で睡眠なり排泄なり生理的処理を行っていれば身体の健康に影響はございません」
「要は何時間ゲームの中にいても大丈夫って事だ。行方不明になる位にゲーム内に居ても」
「その通りでございます」
「あとこのゲームにこの街のような休憩エリアは他にあるか?」
「それは私からは申し上げる事は出来ません」
「そうか……」
和己は軽くため息をついた。
「取り敢えず僕は質問終わり。あとは何かある?」
「私は無いわ」
遙香は返事の代わりに首を横に振る。
「じゃあ行くか。そろそろ昼飯の時間だ。腹が減った」
和己はそう言って歩き出した。
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