第29話 3人パーティと秘密基地?(5)

「何か聞いていると自分が悩んだ事が阿呆らしくなってきた。機械の方を調べる」


 遙香はそう言って機械の方を見る。


「あ、スマホが反応している」

「えっ」


 不毛な戦いをしていた2人がとんでくる。


「本当だ。QRコードを読み取れって」

「やってみるか」


 和己は念の為機械を3台とも調べる。

 3台とも全く同じように見えるし、タブレットの反応も同じだ。


 機械の画面にはQRコードが表示されている。

 和己がタブレットのカメラをQRコードの方に向けると、ピッと小さい音がしてタブレットの画面表示が変わる。


『レベル3権限付与。サンプルプログラムの使用権限を取得しました』

『レベル3地図を読み込みます。地図の表示が可能になりました』


 メッセージが2つ表示された。

 一方、機械の表示は『サンプルプログラム使用設定』に変化している。


「これをやればレベル3へ行けるようになるらしいな」

「同じ端末ではもうQRコードは出ないようね」

「だから端末が3台あるんだろう」

「じゃあ5人パーティだと5台出るわけ」

「だろうな、きっと」


 そんな事を言いながらそれぞれコードを読み取る。


「このサンプルプログラムの設定はどうする?」

「ちょっと待っていろ」


 和己は項目を読みながら考える。

『開始後の解除までの時間を設定できます。また次回以降に設定することも出来ます』

とあって、『○○秒』、『設定しない(次回以降)』の2つの表示がある。


「とりあえず次回以降でいいだろう。また設定できるようだし」


 念の為和己は『設定しない(次回以降)』を押した後の機械の画面を確認する。

 すると機械は再びQRコードの画面になった。


「訂正。もともとここの機械は3台だったかもしれない。元の画面が出てきた」


 念の為タブレットでコードを読み込ませてみる。

 また設定の画面へと変化した。


「ここに来れば何度でも設定できるみたいだな」

「なら後は進むだけね」

「ああ」


 和己は頷き、そして3人の先頭に立って部屋を出る。

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