第26話 3人パーティと秘密基地?(2)
「やめておこう。立入禁止と書いてある。このゲームは引っかけはあるが嘘は無い」
「そうね。その方が安心だしね」
再び3人は歩き出す。
次の扉は『水耕栽培室 見学可能』と書かれていた。
「今度はどう?」
「見てみるか」
2人が頷いたのを見て、和己は扉を開ける。
中は水族館のような部屋にだった。
壁の一部がガラス窓になっていて、また説明板らしきものもついている。
ガラスの向こう側に強烈な光で水槽が照らし出されている。
水槽の水は緑色に濁っていて、大きな水車のようなもので攪拌されていた。
菜月は説明板を目で読む。
『原子炉で発生した熱と電気を使用して、ここでクロレラ等の有用藻類を栽培しています。藻類の栄養源には各部署から出た廃棄物を利用していますが、殺菌、有害物分離等を行っているので安全です。
ここで増殖した藻類は食品等有機物の加工に使用されます。また光合成により酸素・二酸化炭素の交換作業も行われています。更に残留有機物が少なくなった水は水再生プラントへと送られ、再利用されます』
「水耕栽培って言うから、レタスとか野菜を作っているのかと思った」
「どっちかというと下水処理場」
菜月と遙香の感想に和己は頷く。
「そうだな。長期航行型の宇宙船等でも用いられるだろうとされる技術だ。二酸化炭素を酸素にしたり食料代わりの有機物を生産したり、何かと有用な技術だ。閉鎖系用のな」
「じゃあここは宇宙船……って事はないか。さっきの原子炉に海水からって書いてあったし」
「地球だとは思うがな。太陽光を使用しないシステムというのが気にかかる」
菜月は辺りを見回す。
「他にはもう何もなさそうだね」
「そうね」
3人は部屋から出る。
◇◇◇
廊下はその先で左に曲がっていた。
曲がると行き止まりに何やら装置のついた扉があり、その手前左側にも扉がある。
左の扉には『長期睡眠管理室』との記載がある。
「どうする。手前から行く?」
「そうね」
3人は手前の扉を開く。
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