第25話 3人パーティと秘密基地?(1)
更に和己は質問を続ける。
「敵が出る、という訳ではないんだな」
「このイベントにはプレイヤー以外の敵は出現いたしません」
「プレイヤー同士の戦闘は合意が必要というルールはここでも通用するか?」
「通用します。合意が無ければ戦闘は発生しません」
「戦闘が発生していないのに一方的に魔法をかけたり攻撃することは可能か?」
「不可能です。魔法でしたらキャンセルされますし、攻撃なら攻撃はじめの動作で強制停止がかかります。ただしプレイヤーを直接攻撃したり意志をねじ曲げたりしない魔法は使用可能です」
つまり遙香のような魔法は使用可能だという事だろう。
和己は納得したように頷いた。
「他にご質問はありますか?」
和己は菜月と遙香を見る。
「僕はもう無い。後は?」
「私も」
「無い」
案内嬢は例の人工めいた表情で微笑み一礼する。
「それでは行ってらっしゃいませ」
3人は受付左の入口から中に入る。
◇◇◇
いかにも、という感じの無機質な廊下が続いている。
白い天井、白い壁、グレーの床。
全て金属製らしく硬質さと艶が感じられる。
両側にいくつか扉があるのが見える。
「何か秘密基地とか研究所って感じだね」
「廊下が金属製という事はただの建物じゃないな」
「硬くて冷たい感触」
そんな事を言いながら最初のドアの場所へ。
一目見るなり和己はうえっという表情をした。
『関係者以外入室禁止。この先は原子力発電区画です』
放射能と高電圧のハザードシンボルとともに、そんな注意書きが書かれている。
更に細かい説明が下に記載されている。
『エネルギーを一手に担う小型核融合炉です。自動補修装置と海水からの重水自動捕集により数十万年単位の自動無人運転を可能にしています。また万が一の事態に備え、同性能の予備炉も2基準備されています』
「物騒な装置」
「核融合炉って実用化されていたっけ」
「まだだな。研究中の筈だ」
「それでどうする。入る?」
遙香の質問に3人で顔を見合わせる。
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