第24話 3人パーティとレベル2受付

 桜ヶ丘市民センターは駅のすぐ近く。


 後ろで女子2人が『和己の正しい取り扱い方』というしょうもない話をしているのを無視して和己は歩いて行く。

 徒歩3分もしないうちに市民センターに到着。

 遙香の言った通り入口の自動ドアはちゃんと開いた。


 和己は休日窓口方面では無く、会議室やホールのある方へと歩いて行く。

 エレベーターの前で3人のタブレットが振動した。


「初心者向け、探索・謎解き系、戦闘可能。途中リタイア可能、再挑戦可能か。戦闘可能以外は城址公園のと同じだな」

「挑戦する?」


 一応遙香は和己の意見を尊重するらしい。


「当然」

「だよね」


 3人は画面をタップする。

 すると新たな指示が出た。


「エレベーターに乗って『2145』の順番で階数表示を押すこと」


 その指示にあわせるかのようにエレベーターのドアが開く。


「行くよ」


 3人はエレベーターに乗る。


「2145だよね」


 そう言いながら菜月がボタンを押す。

 エレベーターの扉が閉まり、そして急速に下降していく感覚。


 駐車場がある地下1階までしか無い筈のエレベーターが止まらない。


「すでにゲームの世界に入っているのかな」

「多分な」


 そう言いながら待つこと30秒程度。

 軽い減速感の後エレベーターの扉が開く。

 先には資料館と同じような受付があり、全く同じ顔の案内嬢が着席している。


「いらっしゃいませ。レベル2のプレイヤー用のイベント受付でございます」

「ここでのクリア条件は?」

 

 入るなり遙香が質問した。

 案内嬢はその質問に微妙に人工めいた笑顔でこたえる。


「次のレベルに行くこと、でございます」


 今度は和己が質問する。


「それは場所的にか?」

「次のレベルの場所に移動できた時点で、クリアとなります」


「戦闘可能、とはどういう意味だ?」

「プレイヤー同士の戦闘が可能、という意味でございます」

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