第5話 宣誓者と保証人
「これ以上進むと危険の可能性がある。その認識はあるよな」
菜月も和己の方を睨み返す。
「上和田先輩の行方がわかるかもしれないのに?」
「この程度が警察に出来ないとは思えない。
それにゲームに見せかけたウィルスソフトの可能性もある。
自分の携帯に入れるにはリスクが大きすぎるな。
ゲームの噂が本当ならなおのことだ」
和己が言っている事が正しいのは菜月にもわかる。
そう、正しいのだ。
それでも。
今度は菜月でなくてもわかる位に和己が笑った。
「まあ知りたいものはしょうが無いな。知的欲求も人間の本性だ」
「じゃあインストールしてくれるの」
「インストールファイルの名前がわかったところまでしか説明していないんだけどな。
まあ実際インストールファイルはもう見つけてダウンロードしている。
メモリカードに入れてパソコンから外しておいたから消されることもないだろう」
「じゃあ」
「ただし約束だ」
和己はいつもの表情に戻る。
「絶対に一人で突っ走らないこと。その条件が守れるなら明日それなりの装備を準備した上でゲームをインストールして起動してやる。いいか」
「勿論!」
「いまいち信用できないけどな」
これは苦笑している表情だ。
菜月にはわかる。
「それに和己より私の方が絶対強いと思うんだけれども、違う?」
「それは認める」
元剣道部のエース格と万年帰宅部インドア派。
身長も菜月の方が公称で5センチ、実際はもっと高い。
「あと条件はもう1つ。ここでの勘定はさっきの約束外。学校ではちゃんと別におごってもらうぞ」
「クリームパンだっけ?」
「最低でもチーズコーンパンだな」
少しだが値段が違う。
「まあいいわ。ゲーム入手まで行ったんだから、売っていたらコロッケバーガーにしてあげる」
実際菜月1人ではネットを目で見て探すくらいしか出来なかったのだ。
菜月自身は小遣いに余裕はあるし、これくらいなら安いものだろう。
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