幻
はりねずみ
幻
【幻】
私には双子の姉がいました。
姉はとても家族思いの人でした。
でも今は、少し離れて暮らしています。
お姉ちゃん、そっちの様子はどうですか?
私には双子の娘がいます。
今は妹と一緒に暮らしていて、姉の方は別の場所で生活しているようです。
姉は時々、私たちに会いに来てくれます。
最近は忙しいようで中々会えないのは少し寂しい気もしますが、無理をせず、楽しく生活してほしいな、と思っています。
お姉ちゃん、私たちが居なくても笑顔でいてね。
私には愛する家族がいます。
母と双子の妹、この2人です。
でも、もう話すことはありません。
...正確に言うと、愛する家族はいません。
私には、愛する家族が「いました。」
...この前まで当たり前に一緒にいたのに。
なぜ...あなたたちは逝ってしまったのですか?
あの楽しかった日々はまるで、「幻」のように私に語りかけてくるのです。
当たり前は、いつかはなくなる。
見方を変えれば、世界も変わる。
分かっているはずなのに忘れてしまう。
まるで「幻」みたいですね...。
~この作品はフィクションです~
《 完 》
幻 はりねずみ @Harinezumi___0
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