最終話・原罪


ガタンゴトン…ガタンゴトン…


聞き慣れない音と共に、眩しい光が舞い込みます。


ケイト達が見たのは、今までにない高度な文明に包まれた新世界でした。


そこには光があり、色があり、空気がありました。


ケイトの目に映った景色が、みるみるうちに彼女の世界を塗り替えていきます。


「あぁ!此処が────!」


そして、ケイトとしての意識はそこで途絶えました。


新たな宇宙へと飛び出た事で、彼女の魂はその世界に相応しいカタチへと生まれ変わったのですから。


*  *  *


ブリブリブリブリ…ブチィ…ミチチッ…ブリュ…!






なぁんやぁ、今度は電車かいな!

最近多すぎじゃろ!お前らどういう健康管理しとるんや!せっかく美少女になって宇宙を旅するっちゅー、ええ夢みとったのに、産まれ変わった先が西武池袋線とかマジで勘弁せぇや!


(辺りからは阿鼻叫喚の悲鳴が響き渡っている)


あ~あ、ほれみいや、こんなところでワシを産み出すけぇ、ドエライ事になっとるじゃろうが!よいよ、だらしない門番…ケツ筋じゃのぅ?おおかた屁じゃ思うて、油断したんじゃろ?気合いが足りんのじゃ!男だったらケツくらいシャキッと絞めて、会社の便所まで我慢せんかいや!なぁにがケイトや?わしゃうんこじゃ!頼むけぇ、野っぱらでも排水口でもええけぇ、はよ流してくれや。こがぁな大勢に見られて、恥ずかしいじゃろうが///。電車はよ停めぇや!しっかしまぁ今回は粘度が低いのぅ、女の身体みたいにフニャフニャの下痢便やないか。なに食うたんや…?え?オシツケ?はぁ?オシツケの刺身食うたんか!あっはっは!そりゃ傑作!肛門様も騙されるわ!おらぁソコォ!なに笑うとるんじゃ!うんこは見せもんちゃうで!はよ降りんかい!そんでとっとと駅員呼んでこいや!…ったくうんこごときで狼狽えてからに、糞ザコが!まぁ今回は電車じゃけぇの。確かにワシの方がアウェイっちゃアウェイなんじゃが、変な夢見たけぇね、勘弁してぇや。今回ばかりはもしかしたら違うもんに産まれ変われる思うたんじゃけど、やっぱりうんこじゃったねぇ。


お、駅員来た来た!


はよしてや!


一寸の糞にも五分の魂。


はよう流して、バラバラにしてくれや、


ワシだって見世物になるのは嫌じゃけぇね。


次こそは────


次こそは恋に焦がれる美少女になれるかもしれんじゃろ?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

微レ存 ポージィ @sticknumber31

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ