第3話 <ここに現る「天災」>
しばらくすると皆、落ち着いてきた。
ようやく静かになったと同時に先生が僕の席を教えてくれた。「あの席よ」と指さす方向に目を向けると真ん中に一つ空いている席を見つけた。あそこが僕の席かとすぐに分かった。
しかし、ラノベの主人公のように後ろの窓側の席ではないらしい。
少し残念な気持ちを抱えながらも、席へと向かった。少しばかり古びた綺麗な机にバックを置き、ぎっと音を立てると同時に椅子へと腰を掛けた。
すると周りの奴らが、一斉に話しかけてくる。
最初に話しかけてきたのは右隣のおとなしいそうな雰囲気の女の子だ。
「私、舞。よろしくね!」
舞ちゃんの自己紹介の後、僕がよろしくと返すと、みんな一斉に僕に自己紹介を始めた。
しかし、こうも一斉に自己紹介をされても、僕はしょうなんてらじゃないので聞き取れるわけがない。
「待ってくれ。いくら天才の僕でも一気に喋られても聞き取れんぞ。」
というと、さっきまで五月蠅かった奴らが一気に鎮まる。
しかし、なんだ。こうも息ぴったりだと面白い通り越して怖いな。などと考えていると今度は今日で何回聞いたであろう笑い声が聞こえてくる。
さっきよりも距離も近いし何より囲まれているため鼓膜が破れそうだ。
しばらく笑った後、舞ちゃんが僕に向かってこう言った。
「天才じゃなくて天災でしょ」
と。
僕の名前は「天才」である! 雨音 @AMR
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