僕の名前は「天才」である!

雨音

第1話 <ここに現る「天災」>

いつも通りの学校への道。

いつも通りの一日の始まり。

僕たちは“いつも通り”に疑問を持たない。

それは、老若男女に問わず同じ事だろうと僕は思う。

僕はそんなつまらないのが人生なら願い下げだ。

でも、もしその“いつも通り”がたった一人によって変わってしまうものだとしたのならと、考えるならば人生とは案外楽しいものだと思う。

一、二週間ぐらい前、僕は前にいた高校から転校することになった。

なぜかって?特になんてことない理由だ。

両親の仕事の都合である。転勤族というわけではないが普通の人よりかは転校は

多かった気がする。そのためか、特に友達との別れが寂しいとかはない。

どちらかというと寂しさよりも新しい出会いへのワクワクのほうが大きいと思う。

そして、僕は今日その思いとともに最近建て直されたばかりだという真新しい

校門を潜り抜けた。新品独特の制服の匂いに違和感を覚えつつ僕は自分のロッカーへ向かった。

この高校には案外人が多いらしく、ロッカーがたくさんあった。それに、昇降口も普通の高校に比べたら結構大きいほうであった。

そんなことを考えながら僕は昇降口へと足を早めた。

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