最終話 英雄狩り
翌日、始業時間が過ぎるや否や、俺を名指しの電話が入った。問い合わせや苦情の電話はいつものことだが、名指しというのはこちらが電話を入れたとき以外はそれほど多くはない。このところこちらが掛けた相手はいなかったはずだが・・・。
電話の声は聞き覚えがあったが、まったく予想もしなかった相手だった。
『成田怜王とか言うんだってな。昨日、邪魔してくれたそうだな』
真下進だ。なぜ俺の名を知っている? 高校の教師経由で聞いたのか?
「殺されそうになってる相手をほっとくわけにはいかないだろう」
周りを気にして、俺は声を潜めて隅の方へ子機を持って行って話を続けた。
『相手によりけりだ。相手は生きていく価値もない屑だ」
「そしてお前は、そういう奴を始末する権利を持っていると勘違いしているわけか・・・?」
『それができる力があるんだからな。少しでも屑は始末して、少しは世の中をよくしないとな』
「それは余計なお世話という。世の中は君が余計なことをしなくても少しは自浄作用があるさ」
『俺があいつらにどれだけ長い間やられていたと思う? 自浄作用なんかありはしない!』
「少なくとも俺は助けを申し出たはずだ。それを利用しなかったのは君の選択じゃないのか?」
『もうその必要は無くなったということさ。俺が自分で解決する。』
「もう少し穏やかな方法でもよかったんじゃないか?」
『そんな必要がどこにある? 俺には十分な力があるんだから・・・。
これ以上電話で話しても埒が明かないな。今日の仕事が終わったら、北高の近くにつぶれた工場がある。それなりに大きいからすぐわかるはずだ。そこで待っている。絶対に来いよ』
一方的に電話が切れた。行くしかないだろうな。
その日いつもと違うことはもう一つあった。あの姫野という刑事が訪ねてきたのだ。昨日の男も一緒だ。
「昨日はどうも」
無感情に彼女は言った。
「彼は無事でしたか?」
一番気になることを聞いた。
「ええ。少なくとも怪我はないようです」
なにか含みがありそうな言い方だな。
「どこか我々だけで話させてもらうわけにはいきませんか?」
まあ、受け入れないわけにはいかないだろうな。空いている会議室を見つけ出し、そこに案内した。
それぞれが座った後、まず口を開いたのはやはり姫野という刑事だった。
「昨日はいったい何があったのですか?」
「あの学生に聞いたんじゃないんですか?」
俺は逆に聞き返した。俺としても、彼がどう言っているのかを聞いておきたかった。
姫野刑事は少し躊躇う様子を見せたが、最後には同僚と目配せをしあった。
「彼は信じてもらえないと言って何があったかを話すことを拒んだのですが、絶対に信じることを約束して、ようやく話してもらえました。
彼によると、真下進君に何らかの方法で上空高く持ち上げられてから、落とされたと言っていました」
なるほど、そこまで真実を話したのか。
「驚かれないんですね」
「まあね」
「彼の言ったことをどう思われますか?」
「事実を言ってますね。俺が見たことと同じだ。そこを俺が助けたわけだ」
彼女は勢いよく立ち上がった。
「そんな馬鹿な」
後ろの男がが宥めた。
「まあまあ」
男は姫野を座らせると、こちらに向き直った。
「申し遅れました。私は鳥居と申します。この姫野と組んでまして」
まあ、自明の理だったので単純に頷いた。
「そうでしょうね」
「随分冷静でいらっしゃる。いや、今の反応もそうですが、普通は人がいきなり持ち上げられたらかなり動転すると思うのですが、相手を助ける余裕があった。普通はなかなかそうはいかない」
俺の発言のおかしな点を突いたつもりなのだろうが、そうはいかない。
「褒め言葉として受け取っておきますよ」
単に相手の言葉を肯定しただけだからな。こっちをそれ以上責めようもないさ。実際、相手の言葉は途切れてしまった。
「聞きたいことはそれだけですか?」
俺の方から沈黙を破った。鳥居は少し考えてから、口を開いた。
「我々があなたたちの証言を信用すると思いますか?」
「信用しないかも知れないけれど、単にあったことを正直に話しているだけだから、それ以外に言いようがないですけどね。後はそちらの問題です」
「なるほど。分かりました。こちらから聞けることはこれ以上はないですね。何か思い出したらお知らせください」
鳥居は姫野を促して立ち上がろうとした。
「こちらからもいいですか?」
「どうぞ」
「真下君は捕まってないんですね?」
「目下のところ行方不明です。彼を見かけたらお知らせください」
二人が立ち上がったところで俺はもう一言付け加えた。
「あいつを見つけたら、ぶんなぐって連れていきますよ」
「暴力はいけませんな」
俺は肩をすくめた。
「どちらかというと、体罰容認派でね」
「体罰なんて、相手を傷つけるだけです。説得してください」
姫野の方が半ば叫ぶように言った。
「あいつはたぶん、すでに二人殺している。それを説得できるほど言葉というものは強いのかな? それと、言葉を使うなら相手は傷つかないとでも思ってるのか? 言葉だって、十分凶器になるさ。俺は、一発ぶん殴れば戻ってこられるタイミングで殴るのを躊躇し、最終的に相手を死刑に追い詰めるくらいなら、殴ってやる方が思いやりだと思うがね」
姫野は言い返してこなかった。
「信念はおありのようですな」
鳥居が言った。
「しかし、今の社会はそれを認めていない。そのことをお気に留めておいてください」
その言葉を最後に二人は出て行った。それを見送った俺の顔には、自嘲的な笑みが思わず浮かんだ。
「所詮俺は
最後にそうつぶやいた。
仕事が終わると、さっそく工場に向かった。場所は予めタマに確認させてある。そのタマとは北高の校門前で合流した。
「いるのか?」
「はい。待っているようです」
「どんな様子だった?」
「あまり近くには寄っていないのではっきりとは分かりません。ただ、じっと座っていました」
「なるほど。案内してくれ」
「分かりました」
タマは先に立って学校の門の上を歩きだした。
後を付いていきながら、実際に真下に会った時のことを考えた。朝の電話はどう考えても果たし状といったところだろう。力で負けることはないだろうが、問題はその後だ。単にぶちのめすのならそれこそ簡単だが、それではあいつと同じになってしまう。
考えてみれば、前世は単純でよかった。人間なんか所詮、まとめて餌だ。その人間に生まれ変わったせいで、随分情が移ってしまった。だが、今の状態も決して悪くない。
門から塀へと伝って行ったタマは、角のところで飛び降り、車道を渡って行った。俺も素早く後を追う。
ほどなく工場と思しき建物に行きついた。周り中を塀に囲まれており、目の前の門は閉ざされている。
「この中か?」
タマに聞いた。
「はい。そうです」
「俺は中へ入るけど、この辺で待っててくれ。それと、アルテミスを呼んでおいてくれないか?」
「まあ、なにしろ相手は女神ですから、来てくれるとは断言できませんが、呼んではみます」
「頼む」
そう言うとすぐ、俺は門を楽々と飛び越えた。
「公務員に不法侵入させるなよな」
そう呟いて入口と思しきところから工場に入った。目の前は通路になっていた。薄暗いが、普通の人間でも十分にものは見える程度だ。なんの物音も聞こえないが、嗅ぎ覚えのある真下の匂いがうっすらと残っている。ここにいるのは確かなようだ。
もともと呼ばれてきたんだ。こそこそしても意味はない。無造作に奥に向かった。
突き当りの扉を開けると、広い部屋に出た。床にはいくつもの工作機械が並んでいて、なんかの材料と思しきこまごまとしたものが入った段ボール箱もあちこちに置いてある。見上げると天井には作り付けのクレーンが設置されていた。奥の方、工作機械の陰に座った人影があった。
「待ったか?」
相手を真下と決めつけて声をかけた。
相手は立ち上がった。真下だった。
「来たのか・・・」
「呼ばれたからな」
「逃げようとは思わなかったのか? 俺に勝てると思っているのか?」
「もちろん勝てると思ってるさ。こっちも聞いていいか?」
「ああ」
「そもそもなんで俺を呼び出したんだ?」
「どうせ俺の邪魔をするんだろう? 昨日みたいに・・・」
「まぁ、そうだな」
「俺は先に邪魔者を片付けることにしたんだよ」
「君がおかしなことさえしなければ、こっちはあえて邪魔者にはならないんだぜ」
「俺はやめるわけにはいかない。俺はあいつらにバカにされるような人間じゃない。それを、証明してやる!」
最後の叫びと同時に力の気配が向かって来た。昨日彼が実際に力を使うのを見た結果、それを理解することができた。気配、恐らくこれが残るとアルテミスの言った神の力の形跡ってやつになるのだろう。右に跳ぶと気配はそのまま俺のいた辺りを通り過ぎて行った。
次の気配がすぐに向かって来た。上に躱して天井のクレーンに跳びつく。再び来る気配に、不審なものを感じて、掴んだ手首にスナップを効かせて斜め下方に飛び降りた。案の定、次の気配は俺が下に降りていたら通っていたであろう空間を過ぎて行った。
真下が舌打ちをしたのを見て、思い切り嫌味たらしくニヤついた顔をしてやった。それに気づき真下は気色ばんで、がむしゃらに力を連発してきた。だが、単調になった攻撃など通用しない。ことごとくかわし続けた。
このまま消耗戦かと思ったが、真下は方法を変えてきた。工場に散らばる細かな部品や材料をまとめて飛ばしてきた。これはさすがにすべてを躱しきれない。しかし、残念ながらこの程度のものがぶつかっても俺にはなんのダメージもない。
飛んでくるものはだんだん大きくなり、工作機械も飛ばされてきた。当たりはしないが、落ちたりぶつかったりして壊れると精神的にダメージが来た。これって、持ち主に申し訳ないよな。すまん、と心の中で謝った。
そろそろどう収拾をつけるか考えないとな。そう思ったときだ。
「なんなのこれ〜」
突然の悲鳴。あの女刑事の声だ。さすがに俺の注意もそっちにそれたが、真下もの注意もそちらに行った。故意かたまたまか分からないが、持ち上げられていた巨大な鉄骨が彼女に向って飛んだ。やばい。
俺は彼女の前に飛び出し、右手を前に突き出し飛んできた鉄骨を受け止めた。俺はびくともしないが、鉄骨は不自然な力が加わったせいでひん曲がった。
やむを得ない行動ではあったが、戦術的にはとりたくなかった。一瞬動きの止まった俺を、例の気配がつかみ上げた。
「俺の勝ちのようだな」
真下が言った。確かにまずい状況だ。持ち上げられてしまっては完全に動くことができない。
「あんたはネメアのライオンの生まれ変わりだってな。あいつが言ってた・・・」
あいつ? 何者だ? そのままを口に出して尋ねた。
「何者かなんて俺も知らない。ただ、あんたが前世でどう倒されたかを教えてくれた。剣も槍も通じないあんたは、怪力で絞め殺されたんだってな」
首に圧迫感が起こった。少しずつ強くなっていく。
「今回もそれで死ぬか、試してみるか?」
どうやら、遊んでやれるのはここまでだな。首にまとわりついていた気配はあっさりとはじけ飛んだ。俺の内部から溢れた力が蹴散らしたのだ。
俺は今、半透明に輝く獅子の体に包まれていた。以前、マンションのベランダを掴むために獅子の手だけを顕現させたが、今度はそれを全身に出したというわけだ。獅子の形の鎧を纏っているようなものだ。この内部には、俺が拒むものは一切侵入することはできない。さすがに神の力への効き目を試す機会は今までなかったが、どうやら有効なようだ。
目の前に起こった現象を真下が理解するより速く、俺は間合いを詰めた。女刑事への視界を塞ぐように位置どり、真下の首筋に幻のような獅子の前肢の爪を当てた。幻の様に見えるが、しっかり実体はあり、鋭いものの触れる感触は感じているはずだ。
「このまま、首を掻っ切ってやろうか?」
真下は力を振るってきたが、今の俺にはまったく影響を与えることができない。
「わかったか? お前を殺そうと思っていたなら、最初から簡単なことだった」
真下は何も言わない。俺は奴の頬をひっぱたいた。もちろん、一撃で首が飛ばないように凄まじく手加減してだ。
「お前より遥かに強い俺が助けると言っただろう。なぜそれを拒んだ? あいつらを殺して何か解決するのか? 全員を殺したあと、いったいどうするつもりだったんだ?」
「なんでだよ!」
今度は反応した。
「せっかく力を持ったんだ。自分でやらなければ、俺は一生負け犬だ」
「何を言ってる? もう一度聞くぞ。全員殺したあと、どうするつもりだったんだ? 具体的に言ってみろ」
真下は目をそらした。
「何も考えていなかったんだろう? それじゃあ、当面の目的を達成しても何も残らない。いじめはなくなるのかも知れないが、元の暮らしに戻れるのか? 結局お前もあいつらと同じように、人を傷つけてもなんとも思わない人間なのか? だったらやっぱりあいつらと同レベルじゃないか。ならば話は簡単だ。俺の方がお前より強い。お前の理屈をお前自身に体現してやるよ。今ここでお前を殺しても、お前はそれに反発する資格がないということだ」
真下は唇を噛んでさらなる沈黙を選んだ。俺は続けた。
「俺には殺せないなんて思うな。お前の言った通り俺はネメアの獅子だ。前世では大勢人を食い殺した。その時の気持ちに立ち戻るなんて雑作もない」
真下は俺をにらんだ。
「だったらどうしたらよかったんだ。毎日毎日あいつらにやられて。それにずっと耐えてろって言うのか?」
真下は叫んだ。
「頼ればよかったんだよ」
俺の声も自然に大きくなった。
「俺は助けを申し出たろう? なぜそれを受けなかった。そうでなくとも、周りに助けを求めればよかったじゃないか。例え泣き叫んでも、自分の痛みを誰かに伝えればよかったじゃないか。それは決して恥じゃない。人間はもともと爪や牙を発達させて生存競争を勝ち残ってきたわけじゃない。知恵と言葉、コミュニケーションで集団化して生き延びてきたんだ。最初から持ってる自分の力を有効に使えばよかったんだ」
真下は泣いていた。
「誰も分かってくれない、そんなことを思ってたのかも知れないが、そもそも伝えもしないのに分かれなんてこと自体がわがままだ。必要ならいくらでも泣きわめけ。きっと誰かが助けてくれる。今は、俺が助けてやるから」
しばらく、泣かせておいた。こうした対応でいいのかは分からない。所詮、俺はモンスターに過ぎない。普通の人間がどう思うかなんてわからないからな。
泣き止んだタイミングで、また声をかけた。
「もう大丈夫か? まったく今まで通りとはいかないが、最大限普通に生活を送れるように手伝う」
真下はただ頷いた。その時だ。
「上出来ね」
アルテミスの声だった。入口の方から、まだ呆然としている姫野の傍らを過ぎ、こちらにやってきた。普段着らしい水色のワンピースを着ていて、金髪の、本来のものに近い姿だった。真下の正面に立つと、その顔をじっくりと覗き込んだ。真下は彼女の視線に耐えかねるかのように目を逸らした。
「この子は落ち着いたわ。もう殺意はない。でしょう?」
自分に向けられた言葉に、真下はただ頷いた。
少なからず俺もほっとした。女神の保証なら十分だろう。ただ、それでも真下の今後の事を考えると、別の困難が待ち受けているのは明らかだ。
「できればみんな生き返らせて、何事もなかったことにしてくれると楽なんだが・・・」
思わずそう口に出た。アルテミスは首を振った。
「だめよ。失われたものは戻らない。生と死のバランス、むしろそれを守るのが私の役目だから。私自身がそんな力を使うわけにはいかない」
俺はギリシア神話のひとつを思い出した。
「ヒッポリュトスを生き返らせなかったっけ」
アルテミスの顔はさすがに曇った。
「彼の死を嘆いたのは事実だけど、生き返らせたのは私じゃない。アスクレピオスよ。結果的に、彼はその行為に対して罰を受けることになった。私にはまったく責任がないなんて言うつもりはないけどね」
最後の言葉に込められた意味はあえて追求するのはやめておこう。
「ギリシア悲劇では収集がつかなくなると神が出てきて何とかしてくれるのが定番のはずなんだが・・・」
ちょっと冗談めかして言った。
「デウスエクスマキナは人間が勝手にやった演出でしょ?」
多少はこちらの意図を察してくれたかな。アルテミスの顔には笑みが浮かんでいた。真下は完全に蚊帳の外で話についていけずきょとんとしている。
「せめてこの中をなんとかしてくれないか? いろいろ壊れちゃって、持ち主に悪い」
アルテミスは周りを見回した。
「そうね。そのくらいなら」
言うやいなや、散らばった資材や機械の大移動が始まった。みるみる元の場所と思しき場所に戻っていく。壊れていたものも直りながらだ。「どうやって?」なんて問うても仕方がない。神の御業はそれを「奇跡」と呼ぶ。
「ありがとう」
一応お礼を言っておいた。
ふと、ひとつ気になることを思い出して、真下に向き直った。
「俺がネメアの獅子だって君に教えたあいつって、いったい誰の事なんだ?」
真下は首を振った。
「本当に知らないんだ。誰とも知らない相手からメールが来たんだ。俺が力をもったのもそいつのメールを見てからなんだ。最初は『君には力がある』とかあって、その後に変な模様が添付されていた。それを見ているうちに頭がぼうっとしてきて、気が付いたら力が使えるようになってた。後はあんたの正体を送ってきて、気をつけろって送ってきた」
俺は少し考え込んだ。
「携帯を見せてくれないか?」
真下は頷いて自分の携帯を取り出した。しばらく操作して驚きの声を上げた。
「ない。メールが消えてる。消したはずないのに!」
「しかたないさ。もともとまともな相手じゃない。そういうこともできるだろう」
真下の頭をぽんぽんと叩いて言った。
「どう思う?」
アルテミスに向き直って聞いた。
「何者かが英雄を目覚めさせてるってことかしら・・・」
「かもな。となると、これからもまた英雄が出てくるってことか?」
「そうね」
しばしアルテミスは考え込んだ。
「そうだわ」
と叫ぶと俺に向き直った。
「あなたに仕事を上げるわ。今後英雄たちが騒ぎを起こしたら、それを治めなさい。」
「え? 俺?」
「どうせなんで生まれ変わったか分からないんでしょ? そのために生まれ変わったとでも考えればいいわ」
「こじつけだな」
「今回だって、ほっとけばいいものをわざわざ首を突っ込んだんでしょ? どうせ次があったら、結局自分で突っ込んでいくと思うわ。少しは助けが入るんだから、感謝しなさい。タマには協力させるわ。もっとも、私自身は自分の仕事が終わったら地上を離れなければならないからあてにしないでね」
まあ確かに、無駄に力を持て余すよりいいかもな。
「分かった。引き受けるよ。
「よろしく!」
アルテミスは笑顔を向けてきた。まともな美意識があれば、どんな相手でもノックアウト間違いなしの魅力的な笑顔だ。それだけで、すでに十分なご褒美をもらった気持ちになってしまった。我ながらちょろいな。
最後に、真下を犯人としてまだ呆然としている姫野刑事に引き渡した。これから彼が罪に問われるのかどうかは知らない。神の力、奇跡なんてものが、凶器として果たして認められるのかどうか・・・。ただ、どんな結果であれ、フォローはしていこう。そう約束したからな。
こうして、俺の英雄狩りは始まったのだ。
獅子の王 M.FUKUSHIMA @shubniggurath
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