第2話  人を図鑑のように見る

この間、高校の友人に「あなたは人を図鑑のように見るよね」と言われた。

実は、このようなことは何度も言われたことがある。


私は怒るという感情を無くしたのか皆無なのかわからないが、

生まれてこの方、怒った記憶がない。

しかしながら私は舐められ上手でよく言えばいじられキャラ。

端から見たら今のは悪口ではないかと思われるようなこともよく言われる。

でも私自身が悪口を言われたことに気づかなかったり、悪口を言われても

今、私女子っぽいドロドロの感じを体験してる!と逆に嬉しくなったりしてしまう。


つい最近では、友人と2人で映画に行った。上映10分前に席に着き、まったりしていると友人の電話が鳴り始めた。

画面を見ると友人が今よく会っている…いや遊ばれている男性からだった。

友人は「ごめん、ちょっと外で話してくるね」と行ってしまった。

それから予告が始まっても戻ってこない…。そわそわする私。

いよいよ始まる直前に戻ってきて「ごめん!とりあえず2時間は電話できないって言っといたから」と言いながら席に着いた。

私はその言葉がとても面白かった。だって私の考える普通なら「今日はこれから友人と遊ぶから電話できない」と答えると予想したからだ。

予想外の返答や行動を見るととても興味が湧いて面白くなる。


他の友人にこの話をすると、「その子最低だよ!普通友達といるときには電話とか出ないよ!なんで怒らないの!」と逆に叱られてしまった。

私は「すごく面白くない?こんな女の子初めて見たんだよ!」と言っても呆れられるだけだった。


いろんなことを言われてもまた新しいキャラが増えたと思ってしまう。

だから私はきっと人を図鑑のように見ると言われてしまうのだろう。

そしてだからこそ私は、人を好きになったこともない。

生まれ変わる以前に人間としても不完全な私は、現世では人間らしく生きることから始めるべきなのかもしれない。

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生まれ変わるなら… ひよの @hiyono37

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