おまけ④

『夢幻にして無限のスキルたち』


『ゲームプレイ』

ゲームごとに別計算。システムが似通っていれば熟練度は引き継がれる。

それなりにゲームはプレイしているため、上級者レベルには達している。


『パルクール』

様々なものを利用して道なき道を駆け抜ける技能。山林で培った技能だが、街中でも使用できる様子。現在の熟練度なら高層ビル地帯を普通に走るぐらいの速度で駆け抜けることが可能。今回は片腕なので少し速度が落ちている。



<こぼれ話>


「わたしの夢はいつだって同じ情景だ」

華の見る夢は基本、母親のなくなった日で固定されている。今回はそれに付随して更なる悪夢を見たため調子が悪かった。


「持ち前の治癒力によってだいぶ回復は進んでいるようだが、まだ動かせるまでにはなっていない。」

腕が動かせないのであって手先は動く。ゲームは可能。たぶん。

片腕使用縛りのパルクール難易度も高そうだが。


「――――この時間じゃ桔梗姉さんはいませんよね。」

土曜日の午前中。普通に会社にいる。


「―――そんなこともわからない姉じゃない」

7年近く一緒に暮らしていてそんなこともわからない師匠がいるらしい。


「姉はそれが許容できない」

一種の精神疾患のレベルであり、自身の行動が他者に影響を与えるのを過度に恐れ、回避しようとする。行った後で気づいた場合、ひどいパニック症状を起こす。

ある意味で他者を蹴落とす行為である受験や就活。明確に勝敗が付き、相手を打ち負かすスポーツなどは特に行えない。向野家の人間であり、ほとんどの才能は持っている彩夢はこの疾患によってあらゆる行動を障害されていると言っても過言ではない。


「向野家の家事手伝い」

料理は基本的に桔梗が担当しているが、それ以外の家事はすべてこなしている。

そもそも向野家は高層マンションの三階分を丸々使って作られており、相当な面積を誇る。居住人数は少ないが、なかなかに大変な仕事。

特に洗濯にはこだわりがあるらしく、向野家にはクリーニング設備が設置されている。基本的にすべてを一人で完璧にこなしているが、時間がかなり余るらしく、ゲームを一人でプレイして暇をつぶしている。


「少し前に発売された特殊なレースゲーム」

実は熱狂的なファンが多く、いまだに高い人気を誇るゲーム。品薄状態が続いているタイトルである。華はこれを知っているが、口にしないことにした。

彩夢がこのことを知った場合、パニックを起こして売却しに行く可能性が高い。


「まだ―――いたのか。私を倒したアイツ。」

師匠の死因の真相。雪山に突如現れた竜に似た生命体と師匠が交戦。

最終的に相打ちとなった。

その際のものとは別個体。



<キャラ紹介>

向野こうの 彩夢あやめ

華の姉であり、向野三姉妹の次女。

三姉妹の中では一人だけアルビノであるらしく、白い髪と赤い目が特徴。

髪の長さは背中の中ほどで、邪魔になるためよくまとめている。

非常に整った顔立ちで、スタイルもいいが、胸が無いことが密かなコンプレックスだったりする。優しく、他者の気持ちを推し量ることが得意で、気配りのできる女性。社会に出ることができれば何らかの分野で大成していたことは間違いない。

じつは三姉妹はそれぞれずば抜けた長所と精神的な破綻を抱えている。

彩夢のそれは『成長速度』と『社会不適合』。

成長速度は異常としか言えないレベル。開始数分、数回の試行で大体マスターし、その後もかなりの速度で伸びていく。華と一緒だと影響されるらしく、相性のいい技能だった場合、限界を突破することまである。

社会不適合は前述のもの。他者に悪影響を与えることを極端に恐れ、行動できなくなる。アルビノである彼女は自身の容姿が他者に与えるものを気にして外出もできず、その成長速度などが相まって、あらゆる行動を縛られた状態である。生まれ持ったものなのか、何か原因があるのかは不明。

特殊なケースである華を除けば、潜在能力がこの作品の中で一番高い。

話す直前まで熟考する癖があるため、会話のタメが長い。



<次回予告>(担当:彩夢)

―――私たちの住む街に、魔物が解き放たれる。

―――炎に焼かれ、壊れていく街の中で。

―――華は三度目の選択を強いられる。

――――――今ほど、この心を憎く思ったことはない

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