その2
「さあーて! よってらっしゃいみてらっしゃい!」
賑やかに商人が客を呼び込んでいる。
「ここに見えますは最新式の電子通信機器! なーんとあの貴族様方と直接会話できる特別機種と来たもんだ!」
この上なく胡散臭い。
もはや胡散臭さを通り越して聞く耳すら持たない。
しかし、その周りにいる客の目は真剣そのものだった。
ひとえに商人の口上が『もしや……』を想像させてしまうからだろう。
だがよく考えてほしい。
そんなわけないだろう、と。
俺はツカツカと商人に歩み寄り叫ぶ。
「おーい! そんなのデマにきまってるだろう!
貴族様に繋がるものか!」
商人は一瞬ムッとした顔をすると「ならば、お一人かけてごらんに見せましょう」と端末を操作し、高らかに掲げてみせた。
そして俺はその時を見計らいこう叫ぶ。
「赤いレンガの通り、白いクルマの黄色い商人だ!!」
虚構の連続性と因果律のある話 八頭身派 颯仁 @hattoushinha
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