第4話 旅の思い
ここに一本の道がある。
とても長くひたすらに続く道だ。
たまに二つに分かれたり、また一つになったりと長く長く続いている。
その道の脇には、木々がはえ、桃色に染められているものもある。
鳥が歌うように鳴き、空は端から端まですべて青かった。
そんな道を一人で歩く少年がいた。
髪はぼさぼさになっていて、青と赤が混じり合ったような色のぼろぼろの服を着ていた。
彼の名前は、アリル。三日前に出身の村を出た少年だ。
彼は今、大きな町"ティルシ"をめざしこの道を歩いていた。
「あーあ、一体いつになったらつくんだよ。"ティルシ"ってやつわ。あれ、でも元々何で"ティルシ"なんて目指してるんだっけな。まあいいか。行けば旅を続けられる。」
そんなことを言っているアリルには一つ気になっていることがあった。
俺は昔、村長から旅に出てるものはみんな目的をもっているって聞いた気がする。
でも今の俺には目的がない。すぐに村を飛び出して何も考えてなかったからかなー。
じゃあ今から俺もこの長い旅の目的を探すことにするかな。
そう決意したアリルの遙か遠く、ぼんやり見える程度の所に何やら人際目立つものがある。
「なんだ、あれ。なんか文字が書いてあるな。なになに
"ティ ル シ に よ う こ そ !"
えええあれがティルシかぁぁぁぁ。よし、あとすこしだ。頑張るぞぉぉぉ。」
そしてアリルひたすらに走ったのであった。
異世界と火と風と @kupppp
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