第一三章 真実は残酷な運命の巡り合わせ
一三章 補足説明一覧
一三章
『登場人物一覧』
ダニエル・エバンズ……ワシントン大学 メディカルセンターに勤務する、精神科医。四五歳。既婚者。専門はうつ病や精神疾患といった心の病気が中心で、多数の著書を発表している。
一人残されたトーマスの心の容体が懸念され、彼の専属担当医師となる。愛称はダニー。(だが作中で、愛称が呼ばれることはない)
キャサリン・パープル……ワシントン大学 メディカルセンターに勤務する、ナース。三二歳。独身。卒業と同時にこの道に入った、勤続一〇年目のナース。
突然両親を亡くしたトーマスの担当となる。子供が好きで、トーマスをはじめとする子供の患者からの評判も上々。愛称はケイト。
『用語補足説明』
検認裁判……別名プロベート。公的機関が行う遺産調査のことで、遺言書が発見されなかった時に行われる手続き。遺産について、アメリカでは日本と異なる方法で
相続していることが関係している。詳細は『アメリカと日本の違い』で別途説明する。
『場所説明』
ワシントン大学 メディカルセンター……ワシントン州にある病院で、色んな診療や治療を行っていることでも有名。精神医学をはじめ、がん治療や糖尿病のケアなど、医療分野の幅は広い。
今作の舞台でもあるワシントン大学から、南西の場所に位置する総合病院。またワシントン大学駅の目の前にあり、周辺には路面電車用のバス停もある。そのため徒歩でも通院可能。
周辺にはワシントン大学が管轄する、専門大学や図書館などもある。そして東側にはハスキースタジアムというスタジアムがあり、南側にはシアトルへと抜けるモントレークブリッジなどがある。
障害者支援センター……ワシントン大学・メディカルセンターと連携している、自閉症や精神障害などを発症する患者の支援を行う施設。通称CCHD(Center on Human Development and Disability)と呼ばれることが多い。なお、Disabilityとは「障害」という意味を持つ単語。
ワシントン大学・メディカルセンターに隣接した場所にあるため、医療関係者をはじめ患者側も視点から見ても、何かと利用することが多い施設。
『アメリカと日本の違いについて』
一〇 日本では相続人が亡くなった場合において、「包括承継主義」が採用されている。包括承継主義とは相続人の死亡により、自動的にその財産が配偶者に分配される制度のこと。
一方のアメリカでは、「管理清算主義」が採用されている。遺言書が見つからなかった場合において、裁判所管理のもと遺産が分配されることが多い。その際に人格代表者と呼ばれる者を選定する。人格代表者には、相続人の代表や弁護士などが選ばれることが多い。
また日本の相続と比較すると、遺産相続の範囲が広い。叔父や叔母といった間柄でも、アメリカでは遺産相続の対象となる。そのため面識がない叔父や叔母に、突然莫大な遺産が入るというケースも珍しくない。
このようなケースだと遺産トラブルに発展する可能性もあるため、アメリカで暮らす多くの家庭では、万が一のことを考慮して遺言書を作成することが多い。
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