命の天秤

二章 個人的な教育実習の依頼

二章 補足説明一覧

　　　　　　　　　　　　　　　　　二章

　　　　　　　　　　　　　　『登場人物一覧』

ケビン・T・ハリソン……ワシントン大学で、香澄のゼミを担当する教授。四二歳。親日家で、アメリカ人でありながら日本語が堪能。大学では香澄のような日本人留学生向けに英語、そして日本へ留学する生徒向けに、日本語を教えている。

　人当たりも良く、生徒だけでなく教職員の間でも人気。紅茶の淹れ方には独自のこだわりがあり、その腕前は紅茶好きの香澄をうならせるほど。

　それでいてユーモアや冗談が好きで、一緒にいて飽きることのない男性。同じ大学の臨床心理士、フローラ・S・ハリソンの夫。なお作中では呼び方を区別するため、香澄のことを『カスミ』とカタカナ表記している。

　　　　　　　　　　　　　　『用語補足説明』

GPA……Great Point Averageの略。成績の平均値を表す数値。一般的に三.〇前後が平均で、三.五以上になると優等生として認められる。またGPAが二.〇以下になると、大学によってその生徒に何らかの指導を行うことが多い。

うつ病……精神障害(気分障害)の一種で、活動意欲や精神活動が低下する。それによって、食欲低下や不眠・強い不安概念などに襲われることが多い。誰にでも発症する可能性があり、真面目な性格で責任感が強い人ほどかかりやすい。発症原因の多くは、ストレスによるものだと言われている。

　　　　　　　　　　　　　　　『場所説明』

バーンズ&ノーブル……アメリカ五〇州で営業している、最大規模の書店チェーン。多規模で高級感ある店舗。