第二幕 補足説明一覧

(第二幕 ) 登場人物・用語集・場所説明・アメリカと日本の違い 一覧

               一〇章


             『登場人物一覧』


高村たかむら 香澄かすみ……今作の主人公で、ワシントン大学の心理学科に在籍する大学四年生。二二歳。第一幕で友人や知人たちの協力を得て、トーマスの心の悩みを無事解決した実績を持つ女子大生。卒業に必要な単位はすべて取得しており、成績は相変わらず校内トップクラス。

 勉強だけでなく頭の回転も早く、物事を冷静かつ客観的に見る観察力や洞察力も持っている。ハリソン夫妻から依頼されている、『トーマスのカウンセリング』を作成しているのも香澄。臨床心理士を目指す金の卵。

 だが生真面目かつ小言癖のある性格は相変わらずで、それが原因で彼女なりにストレスや苦悩を抱えている。ルームメイトのマーガレットをはじめ、親友のジェニファー・知人で恩師のハリソン夫妻たちから絶大な信頼を得る、数少ない人物。


マーガレット・ローズ……ワシントン大学で音楽理論を学ぶ大学四年生。二二歳。香澄と同様に、第一幕でトーマスの心の悩みを解決した女子大生。勉強はあまり得意なタイプではないが、彼女も卒業に必要な単位をすべて取得済み。そのため今は卒業公演に向けて、部長代理として練習に励む日々を過ごす。

 演劇やお芝居に関する情熱は人一倍で、大学卒業後は劇団員になる予定。なおベナロヤホールで演じた二〇一二年 一二月二五日の演目『オペラ座の怪人』で、主役のクリスティーヌ・ダーエを演じた、未来の舞台女優候補。その演技力が業界で密かに注目されており、彼女自身も“早くプロの世界で活動したい”と心から願っている。

 ルームメイトの香澄をはじめ、親友のジェニファー・幼いころからの知人のハリソン夫妻たちから絶大な信頼を得る、数少ない人物。


ジェニファー・ブラウン……ワシントン大学の心理学科に在籍する大学三年生。二一歳。第一幕で香澄・マーガレットと協力して、トーマスの心のケアを行った女子大生。優しく大人しいだけでなく芯の強い性格は、親友の香澄・マーガレットをはじめ、ハリソン夫妻たちからも高く評価されている。将来の夢は香澄と同じ心理職に就くことだが、明確な目標はまだ持っていない。

 そのため香澄やマーガレットほどではないがハリソン夫妻からの評価は高く、彼らの好感度も急上昇中。またワシントン大学の心理学の講義で香澄と知り合い、彼女をはじめマーガレットやハリソン夫妻とも距離を縮める。香澄・マーガレット・ハリソン夫妻から絶大な信頼を得ている、数少ない人物。


フローラ・S・ハリソン……ワシントン大学で心理学の講義を担当する職員で、現職臨床心理士。四三歳。性格は非常に温厚で冷静かつ優しい女性だが、息子のように可愛がっているトーマスのことになると、冷静さを失う一面を持つ。その理由として、自分たちに息子や娘がいないことが大きく関係している。

 第一幕終了後、ジェニファーの新しいゼミ担当講師となる。そのため第二幕では、彼女と将来のことについて話す場面が出てくる。またジェニファーをはじめ、教え子の香澄・マーガレットからとも固い絆で結ばれている。


ケビン・T・ハリソン……ワシントン大学で外国語と英語を担当する教授。四四歳。香澄たちにトーマスの心のケアを依頼する。とても気さくでユーモア溢れる性格が、生徒たちの間で人気を集める。

 第1幕に引き続き、香澄のゼミ担当講師を務める。また香澄・マーガレットにとって、知人であると同時に恩師でもある。妻のフローラ同様に、香澄・マーガレット・ジェニファーとも固い絆で結ばれている。


トーマス・サンフィールド……第一幕で香澄たちが心のケアを受けた、一一歳の少年で、もう一人の主人公。第一幕から心の傷が癒えたかに見えたが、あることがきっかけで病気が再発してしまう。その闇は今までにないほどの深さがあり、トーマスの心を強くむしばんでいく。

 トーマスの心理状態の変化の流れは、第二幕における重要なポイントの一つ。同時に第二幕では、をメインテーマとした作風ともなっている。

 なお両親が亡くなる前の性格は、まさに天真爛漫てんしんらんまんそのもの。そんなトーマスの無邪気な姿が、リースとソフィーの癒しとなっていた。

 

 最初は香澄たちと思ったように心を通わせることが出来ない、苦労が絶えない日々が続く。自分と趣味の合う面倒見の良い香澄・いつも明るく元気なマーガレット・おっとりかつ優しいジェニファーに対し、本当の姉のようにしたう感情を密かに抱いている。同様にいつもお世話になっているハリソン夫妻たちに対しても、自分の両親に対する愛情と同じくらい感謝の気持ちを秘める。

 だが皮肉なことに、香澄たちはそんなトーマスの複雑な心境や苦悩にまったく気がついていない。


リース・サンフィールド……今から約三年前に不慮の事故で亡くなった、トーマスの父親。四三歳。一人息子のトーマスを愛しており、彼が望むものは可能な限り買ってあげるほど溺愛していた。そして息子のトーマス同様に、妻ソフィーのことも愛していた。第二幕における、重要人物。

 アメリカでも有数の弁護士でもあるが、時折子供っぽい性格になると妻のソフィーは語る。


ソフィー・サンフィールド……今から約三年前に不慮の事故で亡くなった、トーマスの母親。三九歳。リース以上に一人息子のトーマスを愛しており、限りない母親の愛情で彼を育てる。第二幕における、重要人物。

 普段は温厚な性格の女性だが、時折初心うぶな少女のような仕草を見せることもしばしば。


             『用語補足説明』


カタルシス効果……心理学用語の一つで、心の葛藤かっとうや不安といった感情や症状を緩和かんわさせる現象のこと。一般的に、『涙を流す』『悩み事を聞いてもらう』などといった方法を指すことが多い。人間が持つストレスを緩和出来る方法として、多くの人に注目されている。

 また『心の浄化作用』と呼ばれることもある。今作における香澄のカタルシス効果として、があげられる。

天真爛漫……無邪気で純粋、かつ明るく振舞う姿を例えた四字熟語。


              『場所説明』


ディズニーランド……正式名称は、ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート(Walt Disney World Resort)略称はWDWで、ウォルト・ディズニー、もしくはディズニーランドと呼ばれることも。子供から大人まで人気のリゾート施設で、その広さは約一二二km²(山手線の内側二個分)と膨大な広さ。

 なおサンフィールド一家が行ったディズニーランドは、フロリダ州にある。規模は異なるが、カリフォルニア州にもディズニーランドがある。

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