構成に関しては原稿の表に出ない

 この構成という段階、これは起承転結ぜんぶ揃った後でないと出来ない作業です。慣れてる人とか天才は頭の中でやっちゃうらしいですがバケモンかよという。

 そして、原稿の表面には当たり前ですが出てきません。完成品は構成を整え終わった形態で見られるというだけですので、途中段階はなかなか見る機会はないです。

 構成を考えて組まれているか、構成なしで思いついたままか、の違いくらいはWeb小説を多く比較していけば何か見えてくるとは思いますが。(ダメ小説を多く読んで勉強するというメソッドは、何が小説論的にダメかを理解し、文学論をある程度把握していないと意味がないのよ?)


 つまり、「戦争は何も生み出さない!」がテーマとしたら、それをどうやってあらわそうかというのが企画で、「戦争が起きてて、それが悲劇を生む、それを見せて戦争を考えてもらおう」という企画書が出来上がります。

 この企画書にそって、細かいパーツが削り出されていく、それが「プロット」になりまして、「戦時中が舞台で、一人の普通の主婦が主役で、何気ない日常を見せながらもその日常は現代とは違う……」という具合に細かく設定を定めますね。どんでん返し系の仕掛けもここで組み込まれていたりします。

 で、このプロットで全体像を把握してから、文章を書き起こしていく、というのがスタンダードで一般的な執筆スタイルではないかと思います。ここまでの工程は、多少の違いがあれど誰もが似たり寄ったりで同じと思われるわけです。


 で、この後の作業、あるいは人によっては「プロット」の時にやる方も居ますが、とにかく「書きたい内容」のすべての項目が出揃った後にしか出来ない工程というのがありまして、それが「構成」になるわけです。

 私の第一稿は「思いついたまま派」です。なので、ご覧の通りでとっ散らかっています。以前はこれで満足して終了宣言していましたが、今は、公募用原稿だけはここからさらに構成と校正を加えるようになりました。


 だから、冒頭部を丸々書き換えるだとか、エピソードを斬り飛ばす、なんてことをエッセイ中でも書いていたわけです。普通は、そういう無駄を省くためにプロットの時に細かく計画を立てて、この時に構成も考えるものですが、私は方向で癖が付いてしまったんですね。

 なので、実際の完成原稿に近い文章の束を見ないことには、構成を考えられなくなっちゃったんです。ちょいちょい、更新記事がどんどこ改訂されて新たな文章が付け加えられたりもしてますが、これもその悪癖ゆえです。実際にUPして読み返すとまた書き加えたくなるんで。(Webは単なる作業台だ、と最近は開き直ってます)


 テンプレ小説などは、構成がすでに整っているテンプレートに乗せて、順番どおりに書いている部分があり、だからテンプレに沿って物語が進む間はその作者の構成力は見られません。なので、とっ散らかった事になりにくいという利点もあるわけですが、独自ストーリーが展開しだした時には散らからないよう、注意が必要です。

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