キャラクター論④=人とズレている、の処置法=
ちょいちょい見かけます。私は私、世間の流行りとはズレているから、受け入れられないのは仕方ない、という諦念。私もかつてはそれですっかり世捨て人でした。
流行りのモンは好きになれない、一周どころか二周も三周も周回遅れで、ただの食わず嫌いが判明した途端にマイブームが巻き起こったりで、なかなか世間と歩調を合わせられないって人、居ますね?
なんでこんなにマイペースなの? 他人の動向は気になるけど、同調できない、したくない……
テンプレは嫌い、俺TUEEEも書きたくない、ハーレムなんぞ見るのもヤダ☆
居ますね?(笑
一般文芸は好きじゃないけど、ラノベラノベしたのも嫌だし、こう、エッジの効いたトコの、隅っこの方が性に合ってるというか、同好の士が少なくてツラタン。
居ますね?(笑
テンプレやってるつもりはない、ご機嫌取りなんかしたくない、テンプレのよくあるアレとかソレとかを改革したいんだけど、解かってもらえない……
居ますね。
こういう書き手さんの悩みは、ある一箇所の勘違いから起きている同じ種類の間違いです。一番上の方は、迷わず一般文芸へ行けば良い、二番目はラノベで結構、三番目もテンプレ系で堂々と戦えばいいんです。
彼らの間違いは、その主張はキャラの思考やら起きる事件やテーマで表現するべきもので、ジャンルで決めるところではない事です。ジャンルというのはあくまで、文体や構造で決めるんです。書式の形式名に過ぎないからです。
どういう文体で、どういう対象読者を想定し、どういうガジェットを使い、どういう構造を取っているのか、それで決めるべきものです。
本格推理モノといえば、一般的なその定義は、「論理で紐解くことを重視するパズル」という極めてシンプルなルールなわけですけれども、論理はオマケなくせに本格を冠した作品も割とあるわけです。本格以外にも推理系は幾つもジャンルあります。
「姑獲鳥の夏」などは、アンチ・ミステリと呼ばれるのが正当ではないかとの観方も多いようです。黒の系統といわれる本格推理と対を成す一派が存在するそうで、これも私は最近に知ったわけですが。
私んトコの探偵もこっちだわ、てな感じですな。物理法則を嘲笑う系統の否本格。そもそも推理書き目指したスタートが姑獲鳥だったんで、素直にそれを本格と思っていた感じもあります。まだまだ知識が足りないのがバレた。(笑
ジャンルというのは、作品群を仕分けた際のレッテルの名前ですんで、境界な作品だってゴロゴロしてるというわけです。
さて、世間とはズレている、実はそれ、ものすごい強みです。
そのズレは、ズレてない連中には見当さえつかないわけですからね。利用しない手はないのです。ズレてない辺りの感覚は、ズレてる者からは明確に解かります。だから、ズレてないことを書くのは難しくないのですから、そこに「異質」を放り込めばいいんですよ。多くの悩みは、「異質」を全体にしようとするから受け入れられないと嘆いてるんです。小出しでいいんですよ、それ。
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