キャラをベツモノに、個性を付ける⑦~深読み文~
⑥で出した、平坦なストレート文章と深読み推奨文章との違いを言及しておいた方がいいのかなと思ったんで、追加で。
トゥゲッターの話題にもチラと出てたけど、『なごり雪』の歌詞の読み方が解からんという人が増えたのだそうだね。あれが別れの歌だと解からないとか。
あの歌の歌詞は、モロにトルストイとか明治文豪の手法なのだ。歌詞自体には二人の関係性をはっきりとは書かないけど、はしばしに匂わせるような言葉が散りばめられていて、「もしかして……」という推測を喚起させる造りになっている。
これの事を言ってたのよ、ずーっと。
ラノベとかWeb小説に限らんでも、最近の小説の文章ではこういうのは少ないのね。もう、表面の意味しかない、ドストレートな平坦文章が主流です。そりゃあね、裏側とか推測するべき「揺らぎ」がないカチッとした文章だから、読みやすいわな、脳のお味噌だって疲れない。するする入ってきて、アクション系の物語ならワクワクがドキドキですんで、こっちのが向いてますわ。
これ、珈琲でうんたらかんたら言うヤツと、単純に珈琲飲みに来ただけの人の違いでもあるわけです。どこの店のブレンドはコクがあって良いだの、いやいや酸味がちょっと強い方が好みだわ、だの、そういう話なのね。
ごくごく飲んじゃえば「おいしかったー、」で終わるけど、それでいいようなもんなんだけど、やっぱ店舗によってブレンドにも差があるでしょ? て話です。店主さんコダワリの、配合ってのあるのよ。言わないけどね、裏側ってヤツよ。
もっと解かりよいキリマンだのモカだの置いてあるし、ジャンル違いで紅茶もミックスジュースもあるんだけどさ、ブレンドだって違うわけです。普通の人が「ブレンドなんて似たりよったりでしょ?」てトコをこだわってるだけなんだけど、そのこだわり、わっかるかな~~???(笑
「しょーもなっ、」とか言われるような事柄ですけどね、いいじゃん。(笑
これ、読み方に二種類があるって話なのね。なごり雪を、そのまんまで読むか、深読みでもしかしてと探りながら読むかの違いなのよ。どっちの読者を想定した文章で書くのか、て話ね。
深読み文で書かれた話は、そのまんまでも読めるけど深読みすると二度オイシイわけで、だけどアマチュアの書いたモンは深読みすると逆に破綻するのが多いのよ。
先にも書いたけど、描写でそこまで考えて、深読みされるとまで考えて、その修飾語とか使ってないでしょ?て話ですわ。(笑
作者にも、作品の裏側に仕掛けたモンがあるんです、深読み文を使う時は。構造の中に散りばめたものとか、具体的なの挙げると、私が今書いている公募作は視点主のヒロインの心情はばっちり書くけど、三人称一視点を利用して、他の連中の心理は見えないって点を利用しようと思ってんですよ。
そういうのが、裏側ね。他人様の作品の、これを読み解くのも面白いのだわ。(笑
ラノベはほぼ読まないってどっかに書いたけど、ストレートな平坦文のはあんま好きじゃないから、それの多いラノベとは縁がないね、て話なのね。
なごり雪の歌詞みたいな、ああいうのが好きなの。二人の関係性をアレコレ推測したりが、楽しいと思ってる読者なのよ。その為には、修飾語一つ、「てにをは」一つに拘った書き方の、深読み文で書かれてないとダメなの。(笑
今、私がWebに上げてる作品のほぼ9割はストレート文だけどね。あれこれを、あーだこーだ考えて、エッセイとかで書いてるうちに到達した境地ですわ。
これからはそういうの目指すんでヨロシク! てことで。(笑
深読み文章にもレベルというか、強気度があって、後で答え合わせの回答があるタイプと、回答なんか置かないタイプあんのね。で、「藪の中」は後者で、しかもそれが主題でっていう、もんのすごい攻め様な態度なわけ。アコガレない?(笑
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