「キャラが勝手に…」リベンジ!
解かりにくい、との感想を戴きましたんで、ざっくり省略とか、軽口で誤魔化すとかは排除して、きちっと解説してみます。
キャラが勝手に動き出すなんて事は一度も経験がない、そういう方は台詞を書く時さえ説明が主目的になっており、頭の中には箇条書きで、言わせるべき内容が浮かんでいるのだと思います。
ワタシはそっちの方とは真逆で、簡潔に文章を纏めるだの、端折って書くだのが苦手なので、これまでのように例文を提示できません。
これはアレです、短距離走が得意な人と長距離走が得意な人の二種類が居るというぐらいのもので、個性の一種。生まれつきで付いてる筋肉の種類が違うらしいですね、アレ。得手不得手ってヤツ。
同じように、テキストにも二つ三つの種類があり、それぞれの得手不得手がありまして、台詞が生き生き書けない人はそれに関連する能力が低いのです。
台詞というのは、普段のお喋りの模倣をするテキストなので、関連するのは「観察力」や「記憶力」だったりします。映画やドラマで印象に残った台詞を、特に長い文章を、魅力を損ねずに書き出せるか、とやってみれば解かります。正確さは気にせず、同じ意味になるよう、また、カッコよさとか胸にクるような感覚を損ねずに、という具合で書けるかどうか。簡潔にして覚えてないかどうか、ですね。
普段から、耳目に入ってくる色んなデータをどう処理しているかが関わっているんです。書けないってのは、記憶している会話文が少ないんです。要点だけを巧く纏めてコンパクトに覚えているというような人は、書けない人が割と多いです。
台詞の文脈は、文章の中ではもっとも整合性だの簡潔さだのから遠い文章なのです。スズメの囀りとか言いますね、台詞らしい台詞って、整理されてないんです。
喋っている台詞だけで個性が出るのは、単語の並びが個々で癖付いているからだったりします。喋りに法則がある。そのパターンって千差万別なんで、普通は無意識で誰かをコピーして書いています。アニメキャラだったり俳優だったり。
つまり、元ネタになる会話や、リアルで聞こえるお喋りのパターンを記憶として集積していないと、応用してそれらしく当て嵌めて書けないんですわ。データ不足。
それはまた、簡潔に纏めることが癖付いている人に多いわけです。勝手にデフォルメして覚えてしまってるから、元のカタチの「喋った時のままの台詞」っぽくならないわけです。デフォルメの省略文をさらに簡潔にしてたりの人まで居ます。さらにさらに、脳内補完までが働いていると、最悪の結果を生むというわけです。
人間性ってのも、実は同じです。簡潔にするのが得意な人ほど、デフォルメし、整理して脳内に保管しているので、それを参照しても記号的になるんです。自分流にカスタマイズしてしまったデータはもはや記号化しており、もう一度インプットし直さない限り元データとは違うデータとしか言いようはないのですね。
また、生きた人間のデータは大きいので、安易なトコでアニメや漫画のデフォルメデータを流用する場合もあり、そっちはまぁ記号化したものよりはマシですか。なんにせよ、「観察力」の不足が原因です。
ジャンルにもよりますが、一般文芸というのは「生の人間に親しんでいる読者層」でしょうし、ラノベは「アニメや漫画の方にも親しみのある読者層」という違いがあるので、人間の描写でも通用する範囲が変わるってわけです。
それが、前の記事で書いた『最大公約数』ですわ。人間に対する感覚ですね。
これはアレですよ、絵のウマヘタは描けない人にだって解かるってのと同じ。なぜ巧いのか下手なのかの理屈は解からないが、巧い下手の結論だけは解かるので。ただ、その感覚のデータベースが「生の人間が主」のグループと「アニメ漫画が主」のグループでは、最大公約数の数値も変わるわけですが、生の人間にほとんど馴染みのない人なんてまぁ居ませんので、そっちの良し悪しだけは誰でも解かるわけです。
その上で、アニメ漫画が主のグループはそこだけでの最大公約数も持つわけです。これは門外漢にすれば、生の人間を基準値にするため、差など感じ取れず、全て記号に見えるって事です。
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