共感を得るのは大変

 説得力ですな。

 とにかく、説得力なのです。


 先に「小説家にはペテン師が向いている。」という事を書いたと思います。嘘を吐くのが上手な人ほど、上手な小説が書けます。騙して信用させるテクです。


 冒頭部で何に気をつけるべきでしょうか。


 世界観の説明? 主人公の紹介? ヒロインを先に出す? それよりも、信用してもらうのが先です。人気作家の作品が参考にならないのはこの部分。既に信用がある方々なんでそこを端折って始めた作品群はあんまりその部分の参考になりません。

 新人賞を獲った作品が参考には向いています。プロが信用したからです。


 読者を信用させる担保は色々ですが、なんせ最初の数行での話なんで、それはもう文章力一強って感じになるのは当然です。だから、書き方の本では最初の一文が大事とか書いてありますし、文豪だって最初の一文は凝りに凝ります。


 この冒頭一行目は凄い、この作者は文章力がありそうだ、コレです、コレ狙い。


 最近は読者も手強くなってるんで、一行程度では信じません。だから冒頭数千文字は徹底して文章を推敲し、自身最高レベルで挑むわけです。それでもまだ完全には信用してないでしょうから、数ページは気を抜かず、さらには読者が納得して読み続けるだけの「価値観」を提示します。その価値観は、登場人物誰かの価値観が興味深い、という事で担保されます。文学文芸ではそれ以外で担保するのは厳しい。


 ここで言う文章力とは、興味を引く力、文章としての美しさ、読みやすさ、理論性、などなどの複合の力です。


(後で追加~)

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