【例題作品・ラノベ】解説①

 2011年の没原稿を引っ張り出してきましたん。


 さすがに6年も前の原稿だと色々とアレです。まず、いきなり『読者に語り掛け』やっちゃってます。これ、なんでダメなのかもすぐに作品中に出てきてますな。


 ” なんの話か解からないでしょうか。


 これが、読者に語り掛けている部分になります。その後しばらくは読者に向けた書き方になってるんですが、


 ” 後方で起きた派手な爆音に振り返ると、自軍の爆弾が次々と連鎖爆発を起こしている光景が目に飛び込んで。それも一瞬で、わたしはすぐに前方を見据え、さらに走るスピードを上げた。


 この文章で急激に、読者向けから作品世界に、語り手の視点が移ってしまってんですね。まるで、カメラ目線でこっち向いてた主人公が前方を見るような感じ。これが、イカンのですよ。少しでも軽減しようとして、


 ” 光景が目に飛び込んで。


 なんていう風に倒置法使ったりして違和感を誤魔化してるんですが、誤魔化される読者ばかりじゃないって事ですよ。こういう細かい作文的不備について、大目に見てくれる読者が比較的多いのはラノベ読者でしょう。文学に近付くほどこんなの許されない。


 これがまず一点です。





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