この正義の盗賊団に女神の加護を!

2ー1

俺がいるのは、既に何度も見たことのある空間。

目の前にいるのは、もはやお馴染みとなった困り顔のエリス様。


「カズマさん...」


「すみません!ほんとすみません!」


「あなたは仮にも、魔王を倒した勇者なんですよ?」


遡ること2時間前

俺はいつものように、部屋でごろごろしていた。ウィズがいなくなったのは心配だったが。


「あのポンコツ店主のことだ。またおかしなものでも仕入れに行っているのだろう。その内帰ってくる」


バニルがそう言っていたので、多分大丈夫だろう。もしウィズに何かあったのだとしても、バニルなら見通せるはずだ。

だから今日は、のんびり屋敷でくつろぐことに決めていた。


「カズマ、カズマ!クエストに行きましょう」


そう言いながら、あわただしくめぐみんがやって来た。既に杖を持って行く気まんまんだ。


「いやだよ、昨日はお前らのせいで疲れたからな。今日は休む日に決めたんだ」


「カズマはいつも休む日じゃないですか!たまには仕事もしてください!」


「なんで!俺魔王を倒した勇者だよ?いまさらクエストなんか行きたくないって」


「勇者だからこそ行くんです!というか、そもそも、そんなだらけた体勢で勇者とか言っても、なんの威厳もありません!」


なんでこのロリっ子はこんなに元気なんだ。いや、こいつももう15だし、そろそろロリっ子は卒業か。だがあまり体型が変わっていないような。15にしてはいろいろな発育が。


「おい、私の体を見て何を考えたか聞こうじゃないか!」


「めぐみんは大人な女性だなって思ってました」


「......」


「悪かったって!だから詠唱を止めろ!」


「まったく、カズマはいつまで私を子供扱いする気ですか!」


「いや、めぐみんのことは大切な一人の女性として見てるぞ」


「なっ」


顔と眼がどんどん赤くなっていくめぐみん。


「あ、だから洗濯物の中から紐みたいなめぐみんの黒下着取り出して、『めぐみんも大人になったな』って言ってたのね」


今まで黙って俺の隣でだらけていたアクアが、余計なことを呟いてくれた。

めぐみんの顔の赤みが消え、逆にどんどん赤くなっていく眼が、クズを見る目つきに変わっていく。


あ、これ死ぬな。


「まぁ落ち着けめぐみん。カズマがクズなのは今に始まったことじゃないだろう?」


おい 


「そうですね、この男はどうしようもないカスでしたね」


助かったが、おい


「私ももう少し寛容になるべきですね。さすがダクネス、カズマが洗濯物をあさることを分かっていて、わざとエロい下着を使うようにしているだけはありますね」


「な、なぜその事を!」


なるほど、最近ダクネスの下着面積がどんどん小さくなっていたのは、そういうことか。


「と、とにかく、クエストを受けることには私も賛成だ。魔王が倒されたからといって、モンスターがいなくなる訳じゃない。クエストをこなして皆を守ることは、冒険者の永遠の義務だ」


「ちなみに、私が受けようとしているクエストは、ジャイアントトードじゃありませんよ?」


「何、そうなのか?」


少し残念そうな顔になるダクネス。


「やっぱりカエルの粘液目当てですか?本当に変態エロネスですね!エロエロ下着のエロティーナです!」


「くっ、最近めぐみんの私を罵る技術が上がってきている気がする」


顔火照らせて、息が荒くなってきたエロティーナさんにアクアが。


「そりゃめぐみん、毎日カズマさんと一緒にいるもの」


「そ、それは、日課の爆裂散歩が」


「でも最近、帰ってくるの遅くない?」


「それは、帰りにおぶられためぐみんが、『なるべく遠回りして帰りたいです』って言ってくるからだ」


「か、カズマ!」


真っ赤に照れて慌てるめぐみんがちょっとかわいかったので、からかいたくなった。遠回りは本当だぞ?


「ふーん、でも、私もクエスト行きたいわね。最近なまってきてるし」


なまっているかは関係なく戦力外のだ女神の意見により、

多数決でクエストを受けることに決定してしまった。

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この素晴らしい救世主に日常を! 秋野シモン @akinoshimon

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