第19話 人力車は、こう言う事じゃない

  ジョニーを助けに向かった俺 ”ビリー・アボット” 今俺はオシャカになった自分の車の後ろに隠れて、ジョニーを追っていた連中の銃撃をしのいでいるのだか


「困ったな、早くしねえと回り込まれて殺られる」


「じゃあ何とかしようよ、ビリー!」


 隣ではジョニーがやかましく吠え、敵の銃弾がたまに貫通し俺の直ぐ側を通り抜けていく


「カッ!ガン!ビュン!」

         「キン!」


「ちぃ!」


 俺はショットガンの大きな弾倉を打ち抜かれてしまい、手から放してしまった。懐から9ミリピストルを取り出しながら、事態を打開する術を模索するため、ジョニーに一応聞いてみた


「タンタン!タン!」


「ジョニー! ダイナマイトは?」


「もう使い切ったよ!」


 ジョニーは愛用の30-30口径、レバーアクションライフルを振り回しながら喚き散らす。腰のにはデカい銃がぶら下げられている・・・、これだ


「ジョニー、その銃貸せ」


「ダメダメ! また銃身ひん曲げて使う気でしょ!」


「ダメか?」


「ダメ!!」


 同じ手で物陰に隠れながら撃とうと思ったんだが、こんな拒否されたら仕方がない。別の手でいくか


「じゃあ曲げないから、その腰のリボルバーよこせ。ライフル弾撃てるヤツだよな」


「そうだけど、どうする気?」


「神経衰弱だよ」


「ああ・・・。でも壊さないでよ?」


 ジョニーは渋々、リボルバーを差し出してきたが


「善処する」


「むっ」


 俺の返事を聞いて引っ込めてしまった。全く面倒くさい奴だ


「わかった!絶対壊さないから貸してくれ!」


「ほんとに勘弁してよビリー」


 俺はリボルバーを無事に受け取り、もいだバックミラーを上に投げて、鏡に一瞬映った景色を見て、敵の位置を確認した


「憶えた」


 「バンバン!」


 隠れた車ごしに、リボルバーで貫通力の高いライフル弾で打ち抜き、憶えた敵の位置に銃弾をくらわす。銃声の切れめから気配を読むに、一名負傷、軽傷1人ってところか? 完全にカンなのだが


「よし、車押すから援護してくれ!」


「いいともさ♪」


 俺とジョニーでバリケードにしている車を押し、9ミリとを撃ちながら相手に接近した

 

「タタタッタン!タタタン!」


「タンタン!タンタン!」


 銃声が再びして、相手が回復したのを悟り、再び鏡を投げ、弾を貫通させて応戦した


「バンバンバン!」


 1人仕留めて、負傷二名ってところか。しかし・・・


「おいジョニー! お前の所が遅れたせいで、車が斜めになってるじゃねえか!」


「僕ちゃんにビリーみたいな怪力を期待しないでよ!」


「むッ」


 敵に気配がおかしい・・・、回り込む気か!?


「ジョニー!離れろ!」


「え!」


 俺はジョニーのリボルバーを口に咥え、ひっくり返してバリケードにしていた車を、再びタイヤが付く様に倒した


「ダン!」


 こっちがバリケードの裏から出てこないと踏んでいたのか、敵は車の影から出ていて案の定回り込もうとしていた様だ。このまま撃ってもいいかと思ったが


「うわわ! 来るな、こっち来るな!」


「バン、バン、バン!」


 ジョニーがライフルを撃ち応戦してくれてるので、俺は当初の予定道り、車を後ろから押して突撃した


「タタタタッ!タタタ!」

   「タタタタ!タタタ!」


 車押しながら迫ってくる俺に向かって弾幕が集中するが、俺はスピードを上げて突っ込む


「ガッ、キャン! ガココン」


 「バン!」


1人殺ったワンダウン!」


 ジョニーのその大きな声と共に人が倒れる気配がした。俺の車かジョニーを撃つか迷って棒立ちになったマヌケでも居たんだろう


「バパン!」


「うッ」


 車のタイヤが撃たれパンクしてしまい重くなったが、それでも勢いの付いた車は止まらない。俺はお返しに力を振り絞って押してやった


「うおおおぉぉぉぉおおおぅッ!!」

               「ガシャン!」


 十分に勢いがついたところで手を放し、俺の車は火花を散らしながら奴らの車は突っ込んでいった


「うぶぅ」


 それと同時に潰れたブタの様なうめき声が聞こえ、アスファルトに血だまりが出来た。人に無事にひき殺せただろう。俺はそんな事を考えながら9ミリを三発撃ち込んで1人仕留め・・・


「タッタッタン!」


 もう1人も撃った


「タッタン!カッ…」


 仕留めきる前に弾が切れてしまったので、弾切れの9ミリ拳銃をブン投げて口に咥えたリボルバーを相手に向けた


「カチリ!」


 こっちも弾切れだった。どうやら5連発だったらしい


「危なぁい!」

    「バン!」


 ジョニーのライフルが仕留めそこなったヤツを打ち抜いて、どうにか事なきを得た。ジョニーに助けられるのはしゃくだが・・・、素直に礼は言っておくべきだろう


「ありがとよ」


「どういたしまして♪」


「相手は4人いたはずだ。掃討するぞ」


「後ろから撃たれたくないしねぇ・・・、仕方ないか、殺そ♪」


 奴らの車の影が少し動いた、生き残りはそこだろう。俺はジョニーに顎で手の位置を知らせた、するとジョニーが目で返事し回り込もうライフルを構える


「ふん!」


 俺は車ごと押して敵をどついてやった


「ガン!」


 そして敵に隙が出来たところをジョニーが撃ち殺してくれると期待したが・・・


「バン!」


 「うおおお!」


 敵はジョニーの発砲で驚き、こっちに飛び出してきてしまい、俺はそいつと取っ組み合いになってしまった


「えい!」

   「ガッ、ゴン・・・」


 リボルバーで殴ったら怒られるので、膝蹴りをくらわして、宙に浮いたヤツの頭に頭突きをお見舞いする。そいつが倒れて悶絶していると、ジョニーがひょこっと顔を出してきて、おどけた一言を言う


「外しちゃった☆」


「下手くそ」


「ごめん♪ 裏にもう一人死体があったからソイツで最後だよ」


「そうか」


 俺はリボルバーの空薬莢を捨てながら、地べたに這いつくばるヤツを踏みつけて動きを封じてジョニーに指でクイクイと合図すると、ジョニーはこちらの意図を察してライフル弾を一発投げ渡してきた。その弾をリボルバーのに込め踏んだそいつに向ける


「今、楽にしてやる。高火力で一気にな」


「アーメン☆」


「バン」

「バン!」


 俺とジョニーは同時に引き金を引いて、ソイツをあの世に送った




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ダーティワーカー ~壊し屋の日常~ 軽見 歩 @karumi

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