第4話 機密
重苦しい空気が私の机を包み囲んでいた。タブレットの画面上に映し出された書類には、間違い無く極秘の印がある。何でこんな物が私の元に送られて来たのだ? サーバーがバグった? それとも、
体を反らして頭を
【スネグラーチカに関する報告】
先ず始めに、この事に関する事項は極力、ではなく決して外部に漏らしてはいけない。陸軍の士気を減退させるばかりでなく、帝国内に
「先程から手が止まっているぞ、シュライベン少尉」
「うっ」
不覚にも、班内で最も厄介な相手に背後を取られてしまった。
「どれどれ」
と、ウッベン大尉が私のタブレットを覗き込む。生きた心地がしない。もう、メフィストに地獄に連れて行ってもらいたい心境だ。
雷が落ちると覚悟したのだが、大尉はタブレットを手に取ると、私には目もくれず、黙って班長室に消えて行った。
そして、ものの一分もしない内に、大尉は班長室から出て来た。
「シュライベン少尉っ、班長がお呼びだ!」
その、わざとらしくも短く切った語気にくすぐられでもしたのか、その場に居合わせた班員の誰かの鼻息が、静まり返った室内に響き渡った。
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