第2話 赤髪のセーラ

 次の日、ギルは再び役場へ向かった。「ギルドに加入してくれる人いるかなぁ。」

 そんなことを呟きながら歩いていた。今日は昨日とは違い足取りも穏やかである。役場に着き扉を開くと昨日の職員が手を振っていた。

「今日からあなたの担当になりました、レイナです!宜しくお願いします!」

 昨日の職員、レイナが名乗り、改めて挨拶をした。

「昨日の件ですがギルドへの加入希望者が1名ですが現れました!」

「うぉ!まじ!?」

「はい!まじです!」

 ギルのまじ!?にレイナもまじ!で返した。2人共テンションが上がっているのだ。

「その1人が今日役場に来て下さるとのことです。」

 レイナがそう言った途端、扉が開いた。赤い長髪を垂らしたギルと年が変わらないくらいの少女が入ってきた。

「あの方が加入希望者です!」

 赤髪の少女がこちらへ歩いてくる。

「君がギルドに入りたいっていう子?」

 ギルが問いかけると少女は足を止め返事をした。

「ということは、あなたがギルさん?」

「はい!僕がギルです!あなたの名前は?」

「私はセーラよ。あなた、役職は?」

「僕は剣士です。あなたは?」

「私は魔道士、つい最近冒険者になったばっかりだけどよろしくね!」

「はい!僕も昨日なったばっかりです!宜しくお願いします!」

 セーラの微笑みはまるで天使のようだった。すぐにでもダンジョンに行きたいギルは2人で行こうと考えた。そして、

「レイナさん!2人居ればダンジョン入っても危なくないですかね?」

「えーっと、1階層の雑魚モンスターの区域なら大丈夫じゃないかな?セーラさんは魔道士なんだし。」

 ギルは目を輝かせた。

「じゃあ、早速行こうよ!セーラさん!」

「分かった!それと、ギルドメンバーなんだからセーラでいいよ!よろしくねギル!」

 役場から出たギル達はダンジョンへ潜るための階段へ向かった。その階段から下へ降りると薄暗い空間が広がっていた。

「うおおおおお!!これが!これが!ダンジョンだぁぁぁぁ!!」

 ギルは目をらんらんと輝かせながら子供のように飛び跳ねていた。

「あんまりはしゃぐと危ないよ?ダンジョンだからモンスターもいるんだし。雑魚モンスターだからって油断しちゃだめだよ?」

 そのセーラの言葉にギルはふと我に返った。

「ギル、この辺りで少しモンスターと戦ってみようか。」

 すると、正面からスライムが数匹やってきた。

「行くぞ!セーラ!」

「分かった!ギル!」

 スライムに向かってギルが走り出す。ギルはスライムの攻撃を避け、斬撃を浴びせた。その瞬間斬撃を受けたスライムが飛び散った。

「よっしゃ!1匹倒したぞ!」

 スライムを1匹倒し、調子に乗っていたギルの元に他のスライムが襲いかかる。

「ギル!危ない!」

 スライムはギルのすぐ側に来ていた。避けきれる距離ではなく、片手剣1本のギルには防御方法もない。スライムがギルの頭部に攻撃を浴びせ――

「スパーク!!」

 ギルの後方からスライムに電撃が浴びせられた。セーラだ。セーラが魔法でスライムを倒したのだ。スパークは下級魔法だがスライム1匹倒すのには十分である。

「ギル!大丈夫?」

「ああ。大丈夫だ。助かったよ。」

「良かった。残りのスライムも倒したちゃいましょう!」

 ギルが再びスライムの元へ走っていく。ギルに向かってくるスライムをセーラが魔法で蹴散らし、最後の1匹をギルが切り倒した。

「やったね!ギル!」

「ああ!ありがとな!」

 2人の表情は笑顔に満ちていた。2人の連携は初めてではないほど息が合い、優れていた。

「もしかしたら、私達、最強のコンビになれるかもね?」

 少し笑を含んでセーラが言った。

「ああ、そうかもな!」

 その言葉に対してギルも満面の笑みで返した。

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ギルドオブザヒーロー 純血 @purebigstone

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