第20話ダンジョン攻略編。戦いは交渉から決まる

異世界から転生して来たルミナスの英雄であり勇者のリューネブルク公家の晩餐会に招待された私は、快く応じたなぜなら重要な案件が晩餐会で決まることなど貴族社会では当たり前なのだから。


「ご家族の団欒だんらんの席にご紹介いただきありがとうございます。私はグスタフが娘のアリアシア大公と申します」

私は貴族の中の大貴族で大公家の大公であった、所詮名前だけの大公ではあったが。


「アリアシア公どうぞごゆるりと当家の晩餐をお楽しみください」

意外なことにそこまで格式ばった感じでは無く、家族で団欒とした晩餐会であった、しかし私はかのお人と目が合い思わず冷や汗と緊張をしてしまった。


「シャルル殿下お久しぶりでございます」


ルミナス王国の第一王子シャルル殿!いやこのお方もとんでも無いお方なのだが、このお方のご息女様の・・・。


「お初にお目にかかります、カサブランカお嬢様。私めはアリアシアと申します」


こ、これが噂に聞く次期王位継承者で齢7さいであるカサブランカ様か!

何という威光オーラなんだ・・これで7歳とは末恐ろしい、生まれながらにしての指導者たる王格を感じる。。


「はじめましてカサブランカです!」


か、かわいい・・。いや、このお歳で自ら王位を継承することを宣言し、他の継承権者達を引きずり下ろしたのだから普通の幼子ではあるまい・・。

リューネブルク公のご息女とシャルル殿下の娘それがカサブランカであった


「あれ?ユウタ君は来ないのかい?」

シャルル殿下の発言で一気に家族内の会話が進むのだった。

「む?ユウタはどうした?母さん」

「あの子はフラれて部屋で落ち込んでいるのよ」

「全くいい歳なのに何をやっているのか…。」

「あら?ユウタおじさまは繊細なんですよ?はげましてあげなきゃ!」


家族の団欒の会話が続いていく、私は素直にいいなぁ・・。と思った、最近父とも忙しくて会話などあまりしてないし、故郷に残した弟ともしばらく会っていない今度帰ってみようかな...。

はっ!?いかん!これは公務なのだ私がしっかりしなくてどうするか!周りはボンクラ共だ、私が動かなくては組織が動かんのだ!


「リューネブルク公殿支援の件のお話を詰めたいのですか」

「ふむ…。聞きましょう」

「まず、支援金の金額と兵器の受領の件のお話を進めたいのですが」


リューネブルクは髭を撫でながら考え込んでいた、ダンジョンを攻略するにはかなりの支援が必要だ、半端な額では無いことを祈るのみか・・。


「300,000金貨ダカットお出ししましょう、今の貴女程度にはこの程度の金額しかお出しできません」


思わず唾を飲んでしまった、30万金貨ダカット有れば王の首など削げ変えれるぞ…。しかしこの程度か、、私は貴族だ、交渉で舐められたらお終いだ。


はしたな額ではありますが、見事に運用して見せましょう」

「そうか、余った資金は教会に寄付するなり着服するなりしてもかまいません」


この額さえあれば教会の運用も立ちいくし、わ、わが領土の運用も軌道に乗れる!

こ、これが金の魅力ちからか…おそろしい、だが俄然やる気が出てくるな。


「それと装備が必要でしょう。明日”魔道技術協会”を訪ねてください、既に手配は済んでいます。」

「承りました」

この装備の性能如何で作戦も変わるであろう、屍を築く大規模愚連隊か少数精鋭のスマート部隊かの2択だ。


「それと最後に、ちょうどいい機会ですのでこれを”命名権利書”です。息子がいつまでも名無しでは当家の体面にかかわるので」

命名権利書、国策事業の一つで1文字1000金貨ダカット掛かる高価な物だ。


よし。支援金と装備の援助を取り付けたぞ!明日から忙しくなりそうだ







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異世界底辺生活シュミレーション シャルルードーブルゴーニュ @balalaika0604

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