大体一話に一本魔剣が出てくる連作短編なのだけれど、それぞれの魔剣が持つ特性は実に多様で、それ故物語も様々。大元に流れているのが魔剣研ぎ師とその助手の話で、短編を追いかけることで彼らのことが少しずつわかっていく。
全体的にやわらかな文体で書かれていて、児童文学のようで癒される(ただし内容は子供向けとは言い難い)。
それになんたって魔剣の名前がかっこいい。「ウルムケイトの声の魔剣」「ニーギルエイドの雷の魔剣」などなど。
短編集だから構えなくても読み始められる。まずは最初の数話だけでも読んでみてほしい。