彼女すり替える

「残念なお知らせがあるの。」


 彼女が唐突に話出した。来たな。


「新しい導入部だな。どうした?」


「ネタが尽きた感が否めないわ。」


「………。」


「そこで、貴方にも協力して欲しいのよ。」


「ほう…。…で、何をすればいいんだ?」


「簡単な事よ。貴方が何かテーマを決めてそれについて考察するのよ。」


「なるほど…。でも、テーマに疑問がなかったり、考察の余地がなかったらどうするんだ?」


「捻り出すのよ。無理矢理にでも…。」


「………。」


「…と、いうワケで、テーマを言いなさい。さぁ…さぁ!!」


「じゃあ…冷蔵庫。」


「………。」


「冷蔵庫。」


「今日は良い天気ね。」


「曇ってるぞ。」


「曇りが良い天気と言えない理由はないわ。陽射しが苦手な人には雨が降らず陽射しもない曇りが良い天気じゃない?もちろん、人によって、場合によっては雨も然りよ。」


「確かに晴れイコール良い天気というのは押し付けがましいのかもしれないな…。今回は君の意見に賛成だ。」


「ふふん。」


「………で、冷蔵庫。」


「………。」





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

納豆と豆腐 短編集 ポムサイ @pomusai

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ