第34話 躁鬱病の治療

 鬱病、躁鬱病、自律神経失調症、パニック障害、社会不安障害、心的外傷ストレス障害等、精神疾患は多数ございますが、その治療は地道で皆がに続ける必要があります。

 外傷、内臓疾患等も数週間、または数カ月、場合によっては数年も掛かる場合もありますが、精神疾患はそれ以上に時間と忍耐が必要です。短くても数年、長ければ死ぬまで投薬治療が必要になります。

 ただ、誤解なきように根が痛いのは、決して他の病気が軽いや、精神疾患の方が重篤なんだ大事に扱えと言うわけではありません。

 むしろ他の病気の方が深刻な事の方が多いですが、事治療期間に措いては、他の病気療養よりも永い永い時間を要する厄介なものだと言う事です。


 さて、治療方法を大まかに書きますと、『投薬治療』と『カウンセリング』と『催眠療法』があります。

 『投薬治療』は字の如く、坑うつ剤を用いて脳内のセロトニンの分泌と再吸収を正常に保ち、精神を安定させる事が目的になります。

 『カウンセリング』は、定期的にカウンセラーと対話し、心の中にため込んでいるもの、思ってはいるが伝える事が憚られる内容を吐き出し、記憶の整理を行い、自己の気持ちの置き方や考え方を安定化させて精神のコントロールを学ぶ方法。

 『催眠療法』とは、主に事故や事件の被害者が抱えた心的外傷(トラウマ)の根本を捜り出し、それを忘却、忘れさせる、またはそれを受け入れられる様に心を整理させストレスを緩和させる方法です。


 多くの精神病院、診療内科が行っているのは、『投薬治療』と『カウンセリング』です。

 そしてここで注意してほしいのが、『精神安定剤』の用途でよく勘違いされる事があるのですが、これは睡眠導入剤で、半ば強制的に副交感神経を刺激して睡眠の準備段階に持っていき、眠らせる事が目的であり、精神安定剤自体が気持ちを落ち着けて治療する、とうわけではありません。

 これは、精神疾患には気持ちの高ぶりや落ち込みで睡眠を自発的に取る事が困難なことが多い。睡眠導入剤と称するとわざと睡眠を取らないようにする方がいらっしゃるので、製薬会社や病院側が、精神安定剤で、これを飲むとしっかり眠る事が出来て気持ちが落ち着くのですと説明するために読んでいるだけなのです。

 レプセポ(偽薬)とうわけではありませんが、『プラシーボ効果』と言うものです。

 ここまで言っておいて今更かもしれませんが、個人の感想ですので、決してあてにはしないで下さい…


 治療で最も大事なのは、投薬治療中は毎日欠かさず、坑うつ剤を飲む事、たったこれだけです。

 たったこれだけですが、気持ちが堕ちている時、弱っている、無気力になっている、不安になっている時に毎日定期的に服用するのは難しい。また定期的に服用する事によって精神が安定していき、途中で勝手に投薬を放棄して再度症状に襲われ猜疑心で服用を拒んでしまい、悪化してしまう場合があります。

 ですので、投薬は決して自己判断で中断してはいけない。また服用は時に苦痛に感じる事はありますが、唯一そこだけは忍耐をもって飲み続けるようにする事が大事になります。


 次にカウンセリングですが、こちらは正直、カウンセラーでなくても、思った事を口に出来る、決して否定はしない、それでいて強く肯定しない。ただ言葉を聞いてもらうだけでも効果は十分あります。

 ですが家庭環境や仕事関係で出張など、周囲に信頼できる方がいらっしゃらない場合もありますので、カウンセリングが扶養と言うわけではありません。


 催眠療法につきましては、私は専門家でもなければ受けた事もありませんので憶測で詳細を書くわけにはいきませんので割愛させて頂きます。


 ちなみに私は7年治療に通っております、その内1年ほど通院を拒否しておりました。そのせいで治りも遅くなってしまったのは事実ですが、葬祭の仕事に就き、家庭環境が一変してどん底に落ちて躁鬱を発症するまでに2年半程。そして治療期間が7年です。

 つまりは、発症するまでにかかった時間の倍、またはそれ以上の治療機関が必要になる事は覚悟する必要があります。

 ですが決して治らないものではありませんし、ストレスの根本を取り除く事で症状が一気に快復に向かう事もありますので、一概にそうとは言えないのも事実です。


 おかしいと思ったら、気持ちの在り方を見つめ直す事。

 それでもおかしいと思ったら、ネットなどで簡易診断シートでテストしてみる事。

 こちらでも診断する事が出来ますので、URLを添付しておきます。


「塩野義製薬 うつ病 こころとからだ」

http://utsu.ne.jp/self_check/


「うつ病サプリ」

http://www.utsu-s.jp/check/


 その結果次第で、心療内科、または精神科を受診するを決めても遅くはありません。ただし、坑うつ剤を服用し続けると依存症に陥る、または離脱症状に悩まされる場合もありますので、安易な気持ちでチェックするのではなく、本当に気持ちが常に落ち込んでいる、楽しい事が楽しめない、趣味が突然嫌になった等、普段では考えられない精神状態に陥った場合に診断して見て下さい。


 長々と失礼しました。

 次回からは、葬祭事業、その仕事内容について記載していきます。


 つづく

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私の転落人生からの復帰に至るまで 中海 @nakaumi

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